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アゲラタムの管理 ~播種・収穫~

[2017.03.01]

●営農技術指導員 大澤梅雄

質問
 直売所には青色の切り花が少ないように思います。青花を作って出荷したいのですが、たやすくできる切り花を紹介してください。

回答
 アゲラタムをお勧めします。アザミの花を小さくしたような花で、青色始め赤、白があります(写真)。目出度い名前で、しかも、たやすく栽培できることから、直売所の定番商品にならないかとひそかに期待しているところです。

写真 品種「ブルーブーケ」

写真 品種「レッドシー」

1 名前
 アゲラタムにはAgeratum houstonianum Mill.という学名が付いています。属名のAgeratum(アゲラタム)はギリシャ語で否定語のaと、年を取る、古くなるという意味のgerasからなり、花保ちが良く長期間花色があせないことから命名されました。種小名のhoustonianumは植物採集家ヒューストン氏にちなみます。
 要するにアゲラタムは「いつまでも若々しく年を取らない」という意味です。誰しも健やかな老いを願わない人はいません。両親や目上の人への誕生日祝いにアゲラタムの入った花束を贈れば喜ばれるのではないでしょうか。もちろん、名前の由来を説明しなければなりませんが。
 このように考えますと、アゲラタムは「健康長寿」のシンボルフラワーに最適です。そして物日の花としてもっともっと普及させたい花でもあります。

2 特徴
(1) キク科植物。メキシコ、ペルーの原産で、低木状の多年草として自生しています。わが国では春播き半耐寒性一年草として園芸上扱っています。

(2) 草丈60cm前後の切り花用高性種と草丈20cm前後の花壇用矮性種があります。

(3) 生育適温は15~20℃で、10℃以下と30℃以上は適しません。

(4) 短日で開花が促されます。夏の高温長日期には開花を一旦休みますが、9月下旬頃から再び開花します。

(5) 生育の後半になると地際の茎から根が発生することがあります。これは過剰施肥あるいは排水不良などが原因ではないかと思われます。

(6) 切り花を活けてから、高温期で1週間、低温期では2~3週間もの長い間観賞できます。当然、花色があせることはありません。

3 栽培
(1) 播種
 発芽適温は15~20℃ですが、3月でも無加温簡易ビニールハウスで管理すれば発芽します。4~6月は播種後外で管理しても大丈夫です。発芽日数は5~8日程度です。
 種子は600粒⁄mlと細かいので、セルトレーに播種します。セルトレーは128穴または200穴を使い、種子量の目安は2ml⁄aです。軽く覆土します。培養土は市販品を使います。
 品種ブルーブーケでは、1月播種は5月下旬から開花しますが、花茎長は30~40cmと短く、6月播種は長い花茎を確保できますが11月開花となり収穫期間が短くなります。品質の良い切り花を長期間出荷するには3月播種が最適です(図)。

図 アゲラタムの作型

(2) 仮植
 3月播種は3対葉で3号ポリポットに植えます。4月以降に播種したセル苗は、仮植せず直に定植できます。

(3) 定植
 仮植苗を5月に定植します。株間20cm、条間30cmの2条植えとします。

(4) 施肥
 施肥量が多いとよく繁りますが、開花は抑制されます。前作がある場合は元肥を施さず、生育状況を見て肥料を施してください。その際の3要素は成分で0.5㎏⁄a程度とします。

(5) 摘心
 側枝は旺盛に発生しますので無摘心栽培とします。一部の株の開花を遅らせたい場合は、草丈10cm程度で摘心します。

(6) 整枝
 側枝が20~30cmに伸びたら弱枝と下葉を除去し、締まった株に仕立てます。

(7) ネット張り
 枝は曲がりやすいので、目合い20cmの3目フラワーネットを高さ40cmに張って栽培します。

(8) 収穫
 花の咲き始めは茎が軟らかく水揚げが悪いので、開花した花房径が5cm位になった頃を目安に収穫します。高温期はこれよりやや小さく、低温期は大きめに収穫すると良いでしょう。

参考図書
* 山田晴美(1975):園芸植物学名辞典,農業図書株式会社

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