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ハボタンの管理  ~矮性ハボタンの育苗~ 

[2017.08.01]

●営農技術指導員 大澤梅雄

質問

 アッと言わせるような迫力のある花壇を作って、正月の来客者をもてなしたいのですが、何を植えたら良いでしょうか。自分で苗作りするつもりです

回答

 ハボタンを是非使ってみて下さい。豪華で迫力のある様は、きっとあなたを満足させてくれるでしょう。

 

 最近の花壇は、秋にパンジーを植えて春までそのまま咲かせるのが一般的です。省力的でしかも経済的な花壇ではありますが、多花性を重視した中小輪品種を使うため、花壇のボリューム感に欠けるきらいがあります。しかも観賞期間が7~8か月と長いのでちょっと飽きてしまいますね。そこで、かつてのように冬にハボタンが入る花壇を見直してはいかがでしょうか。

 今月は、花壇に向く矮性ハボタンの苗作りについて説明します。

 

1 品種

 40年程前に比べるとハボタンの改良は格段に進歩し、様々な葉形や葉色の品種が生まれました。

(1) 東京丸葉系:葉縁部に縮みはなく平滑な葉でキャベツに似ている。江戸時代から選抜が繰り返され明治以降東京都江戸川区鹿骨で誕生しました。

(2) 名古屋縮緬系: 葉の縮みが非常に細かく優美です。明治以降名古屋市中川区高畑で誕生しました。昭和4年(1929)当時高畑では100余戸が縮緬ハボタンを生産していたと言います。

(3) 大阪丸葉系:東京丸葉系と名古屋縮緬系との交雑種で、葉縁が波打つ性質があります。戦後関西で誕生しました(写真1)。

(4) 切れ葉系:昭和52年に切れ葉ケールとの交雑で誕生しました。葉はアザミの葉のような深い切れ込みがあります(写真2)。

(5) 照り葉系:ロウ状物質が付かないので葉は鮮明な緑色をし、金属的な輝きを発します。平成20年に育成された品種群です。

6品種の栽培結果をまとめておきましたので、品種選定や花壇デザインの参考にして下さい(表)。

 

2 は種時期

 発芽適温は20~25℃と高く、7月下旬から8月上旬にかけて播きます。

 

3 育苗

 は種後の管理を考えるとセルトレーに播いた方が良いでしょう。200穴又は128穴のセルトレーに市販の種まき専用培養土を充填し、1粒ずつ播き軽く覆土をします。かん水は底面吸水または頭上潅水とします。

 育苗中最も気を付けなければならないのは、ハイマダラノメイガ(通称シンクイムシ)です。育苗中から被害を受けますので、播種後セルトレーごとタマネギネットに入れて口をしっかり縛っておきます。こうすることで虫の侵入を防ぐことができます。なお、発芽したら葉とネットが直接当たらないよう空間を設けておくと良いでしょう。

 もう一つ注意しなければならないのが、徒長苗を作らないことです。3日で発芽しますので、1本でも発芽したら速やかに日に当てて短足の苗作りに努めます。培養土にかぶせた新聞紙の除去が遅れないようにします。また、底面吸水の場合は十分吸水したら、面倒ですが余剰水は捨てるようにします。

 

4 施肥

(1) 育苗中にハイポネックスの液肥千倍を定植予定の10日前と5日前に施します。

(2) 定植予定の2週間前に牛糞堆肥を2kg/mと消石灰を100g/m2施し、1週間前にはIB化成を100g/mを施しておきます。

 

5 畝立て・定植

幅120cm(植え床80㎝)の畝を作っておきます。定植は株間50㎝の1条植えとします。

 

 
 ▲写真1「改良紅はと」(大阪丸葉系)
 
 ▲写真2「サンゴ」(切れ葉系)
 
 
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