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ハランの管理 ~日除けと病害防除~

[2016.12.01]

●営農技術指導員 大澤梅雄

質問
 年末の直売所にはきれいなハランが出回わり、我が家のハランとは大違いです。来年から直売所にハランを出荷しようかと考えていますが、きれいな葉に仕上げるにはどうすればよいでしょうか。

回答
 尾張の郷土料理「箱寿司」にはハランが使われ、時には生け花にも使われていました。そんなこともあってか、かつてはどこの家にも庭の片隅にハランがあり生活に密着した存在でした。最近は、「箱寿司」が作られなくなり、花を生けることも少なくなり、大変残念です。
 しかし、一方箱寿司の復活を願う動きがあります。また、ブーケのグリーン素材としても使われ出しました。ハランは古い花材ではありますが、古くて新し花材として注目を浴びています。
 ハランの消費を喚起するためには、葉色が濃く傷や病斑のない完璧なものが求められます。放任状態を改め、栽培環境を改善すると良いでしょう。

1 きれいな葉に仕上げるための改善策
(1) 台風や伊吹おろしなどの強風にさらされると、葉同士がすれて傷ができ葉先が割れたりします(写真1)。さらにこの傷がもとで病気になることもあります。防風ネットや遮光ネットなどを株の周囲に張っておくと、葉の傷・破れ対策として効果的です。

写真1 日向のハラン

(2) ハランは強い日差しによって日焼けしやすい性質があります(写真1)。そこで、樹陰地に植えるなり葉の上に遮光ネットを張るなどして光線透過量を制限しましょう。葉の日焼け防止の他に緑化効果が期待できます(写真2)。

写真2 樹陰地のハラン

(3) 病気予防のためには過繁茂にせず、適宜葉を間引いて風通しを良くし、病葉は来年の伝染源となりますので速やかに取り除き焼却しましょう。

2 農薬による防除
 病斑が付着しますとハランの商品価値は大きく下がりますので、農薬散布によって病気の発生を防ぎましょう。炭疽病、円星病、褐色斑点病、斑点病などが知られていますが、当地で確認している病気について紹介します。

(1) 炭疽病
 ハランの中では最もよく目にする病気で、多湿条件下で空気伝染します。特に梅雨や秋雨のように雨が降り続く時期に発生しやすいものです。葉先や葉縁から褐色の病斑が進展し、斑点が重なり合うとさらに大きな病斑になります。葉身の中央部では縦長の楕円斑ないし紡錘形となり、病斑の中央部は穴が空いたり裂けたりします(写真3)。
 前年に本病が発生したならば、ダコニール1000の1,000倍液を散布し、まずはしっかりと予防しましょう。その後発生を見たらトップジンM水和剤1,500倍液を散布します。

写真3 炭疽病に罹病したハラン

(2) 円星病
 炭疽病と同様多湿条件下で空気伝染し、4~10月にかけて多く発生します。初発は直径5~10mmの円形病斑を形成するので他の病気と容易に区別できます。病気がさらに進むと円形の病斑が融合して不規則な病斑となります。この病斑の周りは褐色、中央部が灰褐色です。
 防除方法は炭疽病と同じです。

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