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小輪系アスター管理 ~播種・収穫~

[2018.09.01]

●営農技術指導員  大澤梅雄

 

質問

 私たちの地域では大輪系アスターを春まきしてお盆に出荷しています。最近直売所でも人気のある小輪系アスター(品種ステラレッド)を大輪系同様春播きましたが、30~40㎝程度の切花しか収穫できませんでした。せめて50cm程度は欲しいのですがどうしたらよろしいでしょうか。

 

回答

 マイクロアスターとも呼ばれている小輪系アスターは、大輪系アスターと花壇用極小輪系アスターとの交配種です。花色が豊富で花数も多く洋風な部屋によく合い、若い人に好評です。直売所としてはたくさん出荷して欲しい品目の一つです。しかし、大輪系と比べれば確かに草丈は低く、施設栽培では電照によって草丈を伸ばしているくらいです。

 今月は露地栽培でも50cm程度になる栽培方法について説明します。

 

1 播種時期と方法

 通常は春播きですが秋に播きます。本種の発芽適温は15~20℃。当地では9月下旬から10月下旬の平均気温に該当します。128穴ないし200穴のセルトレーに播くと良いでしょう。

2 施肥

 定植の2週間前に牛糞堆肥3kg/mと苦土石灰150g/m施し、土壌酸度を弱酸性に矯正しておきます。元肥は定植の1週間前に3要素を成分量で各15g/mとし、追肥は3月頃に5g/m程度を施します。

3 定植

 幅60cmの植え床と通路を作り、播種後3週間のセル苗を株間12cm、条間12cmの4条に植えます。2条植えよりも草丈の伸長が期待できます。

4 ビニール囲い

 降霜前の11月下旬頃に切花の防寒対策として高さ90cmのビニール囲いを作ります。囲いの詳細は平成26年12月「スターチスの防寒」に紹介しておきましたので参考にして下さい。

 この囲いは4月下旬まで囲っておくと良いでしょう。昼夜の温度差で草丈の伸長が促されます。

5 病害虫防除

 土壌病害による立枯病を回避するために、連作地は避けると良いでしょう。また、害虫の被害が思いのほか多いので、しっかりと防除することが大切です。

(1カブラヤガ(ネキリムシ)。

 定植後間もない株が被害を受けます。刃物で切られたように地際部から茎が倒れ、その株の下を掘ると灰色の幼虫がいます。アスターの生育初期、株周りにガードベイトA粒剤を散布します。

(2) ウリハムシ

 主に4~5月にかけてオレンジ色の体色をした虫が、葉に小さな穴をあけます。気温の上がらない早朝に手で捕殺するかスミチオン乳剤1,000倍を散布します。

(3) アワダチソウグンバイムシ

 春から夏にかけて、葉がダニの被害を受けたように黄色くなります。ひどく品質を落としますので早期発見、早期防除に心がけてください。アワダチソウグンバイムシを対象にした登録農薬はないので、スミチオン乳剤でウリハムシを防除する際に同時防除をします。

(4) ハモグリバエ

 主に春から夏にかけて、不規則な太い線が葉に描かれているのを発見する事が有ります。良く見ると葉の組織内に1mm程度の褐色の幼虫がいます。この幼虫が葉を食害しているのです。アファーム乳剤1,000倍を散布します。

6 収穫

 50~70㎝の切り花が6月に収穫できます。

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