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2月の果樹だより

[2018.02.01]

●杉山文一営農技術指導員

葉果樹の結実安定と春先の枝管理

1 落葉果樹類の授粉について

(1)種類別の授粉

① リンゴ、スモモ、オウトウ、ナシ、ウメ、クリ、ブルーベリーは他家結実性と言って同一品種の花粉では結実できず、他の品種の花粉が必要です。しかし、交配できない品種がありますので注意して下さい。

 
 
 
 
 
 
 

② モモは花粉ある品種が多く、強い摘蕾をおこなわない限り結実は良い。 しかし、花粉が無い品種は人工授粉が必要です。

 

③ カキとキウイフルーツは雌花と雄花が別々の樹に咲きます。カキは、受 粉しないと種子の入らない単為結実性が高く、種子が無いと生理落果が多くなり結実が不安定となる。キウイフルーツは、系統によって熟期が違う。開花期は、果肉の色が黄色の品種が早くて緑色の品種は遅く、開花期が違います。

 
 

2 人工授粉の方法

 受粉樹を混植しておくと結実がよくなりますが、家庭果樹のように数本しか植えていない場合や摘蕾をした場合 は授粉をすると結実が良くなります。

授粉は、①花を取って開葯し、花粉を採取して綿棒に付けて行なうか、②直接花と花を付けて行ないます(家庭果樹で2から3本程度栽培している場合)。

花粉を採取する花の状態は、風船状から開花直後の花粉の飛んでいない状態の花を使います。

葯を多く採取するには、開花前の花を採取機にかけて葯を採取し、開葯器に入れて、温度が20から25℃で湿度が65から80%の状態で開葯させます。しかし、家庭で少量採取するには、葯を取ってハトロン紙か新聞紙に広げ、直射日光に当てずに20から25℃のところに1日置いて開葯させ、葯を採取します。採取した花粉は、通気性のある紙袋に入れて、乾燥剤の入った茶筒に入れ、使用するまで冷蔵庫で保存します。花粉を多く使用する場合は、石松子を使用し3から4倍に増量します。

3 つる性で棚仕立てのブドウ・キウイフルーツ誘引

 ブドウ・キウイフルーツは、新梢が伸びたときに棚下に光が均一に差し込むようにするため、枝が重ならないよう、主枝以外の枝の先端部を基部の方へ曲げ、広げて誘引する。また、結果母枝は、棚上に均一になるように配置します。

家庭果樹では、せん定した後枝が重なっている樹を多く見かけます。図1のように枝が重ならないように枝を広げて誘引します。  

新梢が伸びた時に棚下が暗くならないようにします。

 

4 つる性で棚仕立てのブドウ・キウイフルーツ芽かき

 ブドウやキウイフルーツは、結果母枝の先端部分の新梢が強く伸びる性質があります。また、結果母枝が充実していないと萌芽のムラが生じます。結果枝の伸びを揃えるため、展葉直後に展葉の早い部分を展葉直後にかき取り、新梢(結果枝)の伸びを揃えます。新梢の伸びを揃えるため、図2のように早く展葉する新梢を早目に除去して、新梢の伸びを揃えます。

 

5 太枝から発生する新梢の芽かき

 立木仕立てのカキ・モモ・リンゴ等は、太い枝を切除したり切り返すと、切り口や亜主枝・側枝の背面から強い新梢が発生します。強い新梢は樹形を乱すので、特に切り口から発生している数本の強い新梢を、展葉直後か早めにかき取ります。

図3のように強い新梢は除去し、弱い新梢を残して側枝化させて結果部位を作ります。

6 主幹形で立ち木仕立の誘引

 リンゴのわい化栽培やカキ・モモ等で主幹形で整枝する場合は、図4のように亜主枝や側枝や新梢を番線や添え木に、横にして誘引します。

 
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