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2月の果樹だより

[2017.02.01]

●杉山文一営農技術指導員

<耕種的防除と要素欠乏ついて>

1 冬季におこなう耕種的病害虫防除法
 生産性を高めるには、最低の農薬使用は必要です。しかし、必要以上に農薬を散布するのは生産費や農薬の安全使用を考えると良くありません。春季から夏季かけて病害虫の発生を減らし、農薬の散布回数も減らすには、冬季に実施する耕種的防除が重要です。夏季に実施する化学的防除の薬剤散布だけでは、的確に病害虫の被害を軽減することはできません。冬季に実施する、物理的防除の表1の耕種的防除を併用することが重要です。

 耕種的防除は、越冬している病原菌や越冬害虫を農薬使用せずに物理的に駆除する方法です。また、ほ場内をきれいにして、病原菌や越冬場所を無くすことも重要です。

 せん定時に病原菌の越冬場所である罹病枝の除去やカイガラムシ類の駆除としての粗皮削りがあります。12月から2月の寒風が吹く時期におこないますが、寒風や雪が降る前におこなうと害虫の駆除には効果的です。

 また、冬季は樹も休眠状態です。羅病部分を大きく削りとっても生育に影響はあまりありません。また、病原菌も休眠状態ですので、菌の飛散もありません。病原菌を直接駆除するには良い時期です。

表1 休眠期に実施する耕種的防除

2 主要病害虫の薬剤散布時期
 薬剤散布の効果を高めるためには、重点防除時期があります。

 病原菌は気温が上昇してくると、胞子が形成されます。そして、風雨によって感染します。春から初夏の時期は、病害の感染期であり降雨前に薬剤散布をすることが重要です。

 害虫は、成虫になると効果が低下します。幼虫期や発生の初期の早い時期に薬剤散布すると効果的です。

 表2に主要病害虫の重点防除時期をまとめましたので参考とし下さい。薬剤の選択は、防除こよみを参考にして下さい。

表2 主要作目別の主要病害虫の重点防除時期

3 主要要素の欠乏症状
 要素欠乏症状は、成分により色々な症状が出ます。欠乏症状が発生すると、生育や果実品質に影響します。成分の欠乏症状として、葉や枝や果実に色々な欠乏症状が現われます。病害虫の被害と間違えられることがあり、対処方法が違います。

 病気が発生したら薬剤散布をしますが、欠乏症状によって施肥する成分が違てきます。表3に主要要素の欠乏症状と発生時期をまとめましたので参考として下さい。

表3 主要要素の欠乏症状

 欠乏症状は、土壌中の成分の欠乏や過剰、土壌の化学性が生育に適していないと発生します。

 発生したら、土壌の化学性・物理性の改善、液肥の葉面散布、不足している成分の追肥が必要です。

 果樹類が十分に吸収できるだけの要素の成分量が土壌中にあっても、果樹類が吸収できない場合があります。特定のある要素の成分量が過剰に多いと他の要素で吸収されず欠乏症状を発生する要素があります。このような作用を拮抗作用と言います。

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