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ユリの管理~ユリクビナガハムシ~

[2022.07.01]

●営農技術指導員 大澤梅雄●

質問
 去年、家の近くで栽培していたスカシユリの葉や蕾が食べられてしまいました。泥を背負ったような珍しい虫が原因と教えてもらいましたが、名前を忘れてしまいました。長い人生の中で初めて見る虫なので、是非もう一度教えてください。

筆者も初めて見る大変珍しい虫です。今月はこの虫の生態や防除等について説明します。

1⃣  名前 
「ユリクビナガハムシ」といいます。
2⃣ 分類
鞘翅(甲虫)目、ハムシ科に分類される虫で、学名はLilioceris merdigera(Linnacus,1758)と言います。
ハムシと言えば、夏にキュウリの葉を丸くかじるウリハムシを思い浮かべますが、それと同じ仲間なのです。また、イネではイネドロオイムシ(イネクビボソハムシ)が有名です。
3⃣ 分布
 本州、九州、朝鮮半島、台湾、中国、サハリン、シベリア、ヨーロッパ等。
4⃣ 虫の生態
幼虫の体長は0.7㎝程で色は暗褐色ですが、体に自身の黒い糞をまとっているのが最大の特徴です。あたかも葉についた泥と思わせて捕食動物から身を守る術と考えられています(写真1、2)。

▲写真1 ユリの葉を食害するユリクビナガムシの幼虫(黒い糞をまとう)

▲写真2 糞を落とした幼虫と食害葉 

老熟幼虫になると背負っていた糞を外して、葉の基部や土中に潜り、そこで白い繭を作り蛹化します。
成虫は体長0.8~1㎝、赤褐色の美しい甲虫です。
詳しい生態については不明です。
5⃣ 発生状況
5~6月に幼虫を確認しました。管内1か所のみの局地的な発生で、その畑は丘陵地近く、三方を人家に囲まれた風通しの悪いところでした。様々な花が栽培されている中で、ユリだけが被害を受けたのです。
また、発生した年(2021)はかなり暖かく感じる春でしたので、単年(2021)、直近3か年(2018~2020)そして平年(1990~2020)の旬別平均気温を比較してみました(図)。

▲図 1~4月旬別平均気温の比較(名古屋)

それによると2021年は確かに直近3か年や平年よりも暖かく、特に3月下旬から4月上旬は3℃ほど暖かくなっていました。
幼虫発生とほ場環境との因果関係は明らかではありませんが、今後の防除の参考にして下さい。
6⃣ 被害状況
 本種はユリ類に害を与える虫として知られています。被害は葉の先端部付近の外縁から、1cm程の不正形食害痕が残り、蕾も食害されます。
7⃣ 防除
(1)1~4月の平均気温が平年より暖かい年には、幼虫の有無とユリの食害痕をよく観察し、初期防除に努めましょう。
(2)スミチオン乳剤1,000倍やトレボン乳剤1,000倍液などの殺虫剤を散布します。 
 

参考文献
(1)森本桂監修,「新訂原色昆虫大図鑑Ⅱ甲虫」,北隆館,平成19年発行
(2)日本アソシエーツ(kk)編集,「昆虫2.8万 名前大辞典」,2009年発行

 

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