
秋冬野菜の栽培管理
[2016.10.01]
●小嶋富士雄営農技術指導員
10月はナス、オクラ、ピーマン等夏野菜が順次終了し、9月に播いた秋野菜が日に日に大きくなる月です。適期に管理作業を行い、11月からの収穫につなげてください。
今月は、ホウレンソウやコマツナ等菜類や年明けの4月・5月に収穫するエンドウ、ソラマメの種まき適期です。菜類やカブ等は上旬に、エンドウやソラマメ等のマメ類は下旬にまくのが良いと思います。
エンドウ
エンドウの類は、早播きして大きくすると耐寒性が弱くなりますので、小さめで越冬させます。種まきは、10月下旬から11月上旬が良いと思います。またソラマメやスナップエンドウと同様に酸性土壌を嫌うので、石灰資材をいれてください。なお連作には弱いため4~5年の輪作が必要です。

エンドウ・ソラマメ
ソラマメ
ソラマメは、10月下旬にポットに1~2粒ずつオハグロを下にしてまきます。2粒まきの場合は生育の良い方のみとし、本葉2~3枚で畑に植えます。株間は40cm位とし、アブラムシには注意してください。収穫は5月です。寒くなったら株元に防寒と乾燥防止を兼ねて敷きワラをしてください。

ソラマメ 大粒種
スナップエンドウ 酸性土壌では生育が著しく劣り、連作を嫌うので注意してください。10月中旬から11月上旬に種まきを行います。直播の場合は1箇所3粒ずつ株間 30cmでまきます。移植の場合は種まき後20日頃、本葉1~2枚で植えつけます。
ニンジン
ニンジン栽培のポイントは、生育の「つまずき」をなくすことです。種まき後2ヶ月位から本格的に肥大します。多くの肥料は必要ありませんが、肥切れしないように注意します。

ニンジン・タマネギ・カブ

ミズナ
タマネギ
本葉2枚のころ株間1cm~1.2cmに間引きます。この時追肥を施し、上からふるい等を使い細かい土をかぶせます。10月下旬に早生品種、11月上旬には中晩生種が定植となります。
9月にも言いましたが、苗の太さはエンピツの太さまでです。小さすぎず大きすぎず揃った苗作りをめざして下さい。
ショウガツナ
正月菜は70日~80日で収穫期となりますが、正月に間に合わせるためのタイミングが難しく、10月下旬から2~3回に分けて播くのが良いと思います。
ミズナ
サラダやなべ用として子株で収穫する場合は、直接畑にまきます。また漬物用として大株での収穫を望む場合は、移植栽培の方が良いと思います。子株の場合は、株間5cm、大株の場合は株間40cmをめどとしてください。
カブ
温度のある10月上中旬までにまきます。通常うね幅90cmの2条まきとし、株間10cm~12cmとします。間引きは本葉1枚の頃、3枚の頃、5~6枚の頃(最終)の3回行います。
小カブでは元肥のみで良いと思いますが、中カブでは2回程度の追肥が効果的です。
冬を越す作物は、リンサン肥料を多めに施し、耐寒性を増すとともに敷きわら等で防寒対策を施してください。
一般的に大きい苗は耐寒性が弱まり、小さすぎる苗は寒さでなくなってしまいます。種をまく時期は早すぎても、遅すぎても良くありません。種をまく時期に注意しましょう。