
9月の野菜栽培管理
[2016.09.01]
●小嶋富士雄営農技術指導員
まだまだ残暑が厳しい日が続きます。夏草の片付け等忙しい日々が続きますが、体に気を付け、水分をしっかり取るようにして下さい。
秋冬やさいの多くは2~4か月で生育します。この時期は気温が下がってくるため、種まき(又は植え付け)時期が限られ、初期の栽培管理がその後の生育に大きく影響します。また虫による食害が予想されますが、防虫ネット等を利用し、農薬のみに頼らない栽培に心がけましょう。この時期、いろいろな野菜をまいたり植えたりされると思いますが、無理な早まきは避け、乾燥対策や台風対策を行い、11月からの「実りの秋」を迎えてください。
秋野菜は種まき時期が短く、失敗すればやり直しがききません。ゆとりを持って、適期作業をお願いします。
ハクサイ、ダイコン、キャベツ等の追肥は播種〈植え付け〉2週間後に第1回、1ヵ月後に第2回、2ヵ月後に第3回を施します。量は元肥に150g(1㎡当たり)、追肥は1回当たり50g(同)位施します。

図 条間・株間

野菜畑

ハクサイ

野菜
管理の要点
[ハクサイ]
直まきの場合、1か所5~6粒まきとします。本葉5~6枚の頃、1本立ちとします。移植の場合は、鉢に根がまわりくずれなくなったら早めに定植します。株間が狭いと株も小さめとなります。中晩生品種では広めの株間(35~40cm)が良いでしょう。早生品種では播種後60~75日で、中晩生品種では90日すぎに収穫となります。早まきは虫による被害とともに、軟腐病にも注意して下さい。
[ダイコン]
「ダイコン十耕」と言われるように畑を十分耕すことが、良いダイコンを作る第1歩です。漬物用は早まきは避け、9月下旬にまかれるのが良いと思います。本葉5~6枚時に1本立ちとし追肥・土寄せをします。
[キャベツ]
定植間隔は40~45㎝とし、晩生ほど株間を広げます。定植後10~15日で一回目の追肥を、25~30日で2回目の追肥を施し、生育を促します。
[ニンジン]
ニンジン栽培のポイントは、発芽を上手にさせることと雑草対策です。また本葉4~6枚の頃までの管理が大変重要です。この頃に2回目の間引きを行い、株間8~12㎝の1本立ちとします。また合わせて追肥と土寄せを行います。
[タマネギ]
条間が8~10㎝の条まきが管理しやすいと思います。株間は1.0~1.2㎝とします。乾燥防止のため、切わら等を上にかぶせますが、発芽後は直ちに取り除いてください。
中晩生の播種時期はお彼岸頃です。あまり早播きは苗が大きくなりすぎる危険性があります。
良い苗の目標は、草丈20~25㎝、太さ4~5㎜です。太くても鉛筆の太さままでとして下さい。また苗のときから栽培にリンサン成分を可用し丈夫な苗を育ててください。
[ブロッコリー・カリフラワー]
セル苗で本葉2~3枚時に定植してもよいですが、移植してポットで本葉5~6枚に育ててから定植したほうが無難です。
初期から生育旺盛となる栽培管理が大切で、早生種では、定植後10~15日で第1回の追肥を、25~30日で第2回の追肥を施します。
[葉もの類]
ホウレンソウや小松菜、ミズナ等いろんな菜類のまき時です。一度にたくさんまくより、何回かに分けてまいた方が良いと思います。不織布や稲ワラで覆うと発芽が揃いやすいと思います。