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アマリリスの管理 ~鱗片繁殖~

[2018.07.01]

●営農技術指導員  大澤梅雄

 

質問

 直売所にはアマリリスが出荷されていないので、高価な球根を買って育てていますが、球根がなかなか増えず切花生産が軌道に乗りません。球根を早く増やすにはどうしたらいいでしょうか。

 

回答

  アマリリスの繁殖方法には、実生繁殖、自然分球、人工繁殖(以下鱗片繁殖)等があります。それぞれ一長一短がありますので目的に応じて使い分けましょう。

 切り花生産では実生繁殖が一般的ですが、親とは異なる花が出現します。親と同じ形質を持った花を出荷したいのであれば、自然分球か鱗片繁殖によります。自然に分球するのを待っていたのではご質問のとおりなかなか増えませんが、鱗片繁殖は効率よく増やすことが出来ます。

 そこで今月はアマリリスの鱗片繁殖について説明します。

1 鱗片繁殖の特徴

 アマリリスやユリの球根は、短縮した茎に、肥厚した葉が密に着いたもので、この球根を鱗茎、肥厚した葉を鱗片葉または鱗片と言います。この鱗片を土に挿すことを鱗片挿し、この方法で繁殖させることを鱗片繁殖と言います。いわば葉挿しの一種です。ユリは葉組織に不定芽を形成しますが、アマリリスは鱗片底盤部に不定芽ができます。

2 挿す時期

7月。

3 材料

 球周27㎝程度の大球を用い、これを親球とします(写真1)。

4 切断方法

 a 球根を水洗いします。

b 球根の上からナイフを縦に入れて16等分に切断し、更に、鱗片底盤部を2等分します。合計32の切片ができます(図)。切断の際には必ず硬い組織を付けて切片を作って下さい(写真2)。

5 鱗片挿し

切断後は25~30℃、湿度90%の環境下に4日間置きキュアリングを行ってください。その後、ピートモス、バーミキュライト、パーライト等が混合された種まき培土に底盤部を下にして挿して下さい。秋までには子球が発生します(写真3)。

6 仮植

秋になったら3号鉢に鉢上げし、霜が当たらないよう被覆下で管理します。

7 定植

春から初夏にかけて20㎝間隔で定植します。

8 開花

早いものは定植して1年で開花します。

 ▲写真1 鱗片繁殖用親球
            ▲図 親球の切断位置
 ▲写真2 上左:1/32切片の外側  上右:1/32切片の内側  下:1/16切片
 ▲写真3 子球発生
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