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イチジクの栽培

[2021.08.01]

●須崎静夫営農技術指導員●


 お米の転作を契機に、水田でも栽培されるようになりました。苗木を植えて2年目から収穫できます。種苗カタログやWebには、いろいろな品種が掲載されています。
 春から新梢を伸ばしながら、実をつける品種を秋果品種といいます。これに対して、前年に小さな実(幼果)をつけ冬を越して、6月頃から成熟する品種を夏果品種といいます。
 品種「桝井ドーフィン」には、夏秋両方の性質がありますが、専ら秋果的な栽培をします。管理しやすい一文字整枝が良いでしょう。Ⅹ字型や自然型もありです。葉っぱや果実から出る乳液でかぶれたり、かゆくなったりするので、注意してください。

 
▲着果タイプによる分類
左:夏果
秋についた幼果が越冬して、夏に成熟する。
右:秋果
春以降に伸びた新梢に実がついて、秋までに成熟する。


▲イチジクの整枝法いろいろ
 上列:せん定後の樹相 下列:生育期の樹相
 左:一文字整枝 中:X字型整枝 右:自然型整枝 

●整枝せん定
 3月下旬頃、寒さが緩んでから行います。秋果品種では、もとから2・3節残して切り返します。夏果品種では、幼果のついた枝を残して、ついてない枝を短く切り返します。せん定後、主枝の先端側が高くなるように誘引してください。

●芽かき・支柱立て
   数回に分けて、上芽・不定芽・弱い芽を落とします。前後左右50cm間隔を目安に、樹全体の強さを揃えます。株もとの芽が強く、先端の芽が弱くなるので、株もとには下芽・弱い芽を、先端には強い芽を残します。予め支柱を立てておくと、使う芽を決めやすくなります。

●新梢の誘引
 30cm、展葉10枚目くらいで、幼果がつき始めた新梢から順次、支柱などに誘引します。強めの新梢は少し寝かせ気味に、弱めの新梢は立たせ気味にして、樹全体の生育を揃えましょう。

●新梢の摘心と副梢の除去
 秋果栽培では、8月以降になり始めた果実は成熟できません。7月下旬に新梢の先端を摘芯して、果実肥大を促進します。葉のもとから出る副梢も、葉っぱ1枚残して早めに摘み取ります。

●収穫
 果皮が色づき、柔らかくなったら、食べごろです。軸(果梗枝)をつけて収穫します。イチジク=一熟(いちじゅく)なので、取り急ぎや取り遅れのないようにしてください。取り遅れると、病気になったり、ハチやハエ、チョウチョが飛んできたりします。

●病害虫防除
 防除こよみ(※)を参考にしてください。農薬を使用する際は、農薬使用基準を遵守し、農薬使用履歴を記帳してください。
 果実を割って中が黄褐色なのは、アザミウマ類の仕業です。園地内外の除草を徹底する、果径25mmくらいの幼果の時に鳩目(ハトメ)へシールを貼る、地表面に白色マルチシート(例:タイベック)を敷く、防虫網を張る、などで被害を減らせるかもしれません。
 幹に穴が開いて、ボロボロになるのは、カミキリムシ類の仕業です。過熟果や腐敗果、落葉、枯れ枝なども適宜、適切に処分してください。

(※)防除こよみについては、お近くの営農生活センターへお問い合わせください。また、HPにもあります。


▲アザミウマ類対策
幼果の鳩目にシール貼付、防虫網の展張・白色マルチの敷設、
園地内外の雑草防除、黄花・被害作物の回避・除去

●施肥例
 休眠期(3月:元肥)、果実肥大~収穫期間中(6~9月:追肥)、10月(お礼肥)に施用します。若木など樹勢が強い場合には、施肥量を控えてください。追肥は、野菜のように少しずつ行うとよいでしょう。

●ひとこと
 イチジクの樹の近くを通ると何とも言えない香りがしてきます。ついつい、カミキリムシを探してしまうのは、まだまだ、ムシムシ小僧の名残でしょうか。

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