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キウイフルーツの栽培

[2021.03.01]

●営農技術指導員 須崎静夫●   

 ニュージーランドの国鳥「キウイ」になぞらえて命名されました。年中販売され、CMではぬいぐるみが走り回っています。種苗カタログやWebサイトでは様々な品種が紹介され、メス花とオス花が咲く品種や親指くらいのベビーキウイ(サルナシ)もあります。一般には、収穫してから追熟して食べます。せん定枝も、くねくねしていると花材にできるかもしれませんね。

年間管理
・整枝せん定
 棚仕立てがよいでしょう。落葉後、1月末までに行ないます。遅れると切り口から樹液が出て樹勢が弱ります。発芽後なら、せん定しても切り口から樹液は出ません。
 中央に主枝を配置し、不要な枝を間引きます。着果目安は1㎡に30果なので、結果母枝から合わせて10本の新梢を出しましょう。
 新梢の基部に果実が成ります。充実した結果母枝を残して、一般的な鉛筆の太さのところで切り返します。よくわからない場合は、前年の実が成った先から7・8節目で切り返し、枝が重ならないよう誘引して余分な枝をせん除します。果梗枝(軸)や棚、番線に巻きついたつるなどもていねいに外します(図1)。

 ▲図1 切り返しせん定

・芽かき
 発芽後、不要な強すぎ・弱すぎの芽をかき取ります。遅霜や強風にも注意してください。

・新梢の誘引と摘心・徒長枝の除去
 新梢が30㎝程伸びたら、順次、棚に誘引します。葉果比6(葉と果実の割合:葉6枚で果実1個)を目安に、葉が15~20枚の頃に先端を軽く摘心すると、あまりつるが巻くことなく新梢の生育が揃います(図2)。
猫の尻尾のように赤くて丸い芽は、徒長枝になります。不要なら早めにかき取ります。

▲図2 新梢の摘心

      開花前後に先端を摘心するとつるが巻かずに管理しやすい

・摘蕾
 順調ならば、1本の新梢に4・5個のつぼみと側蕾がつきます(図3)。側蕾や虫に食べられた形の悪いつぼみを落とします。

▲図3 開花前の摘蕾

       大きなつぼみを残し、側蕾や変形蕾、虫食いを摘み取る

・人工授粉
受粉をすると確実に実が成りますが、花粉がないとどうしようもありません。「マツア」「トムリ」などのオス樹品種を育てるか、花粉を購入しましょう。開花始めと盛りの頃の2回程、ていねいに行ないます。オス花1個で、メス花5~10個程できます(図4)。

▲図4 メス花㊧とオス花㊨

      メス花は白い柱頭が目立ち、オス花は花粉(葯)がある

 

・摘果
 果実は急激に肥大します。開花2週間後頃、不受精果や小さな果実、形の悪い果実を落とします。新梢1本あたり3~4果を目安にしてください。

 

・収穫
 外観上の変化はわかりません。10月中旬から11月上旬頃、糖度7度を目安に、強い霜が降りる前に収穫します。果梗枝(軸)ごとでも、ハサミで切っても収穫できますが、果実を掴んでひねると簡単にポロっと取れます。

・貯蔵・追熟
 ビニール袋などに入れて、5℃程度で冷蔵し、順次、追熟します(図5)。15~20℃くらいの室温での自然追熟や、リンゴやエチレン剤(商品名例:「熟れごろ®」をキウイフルーツ1~30個に1つ、10㎏箱に対し3つ)を用いて追熟します。

▲図5 追熟(リンゴや追熟剤を用いる)

 

 

・病害虫防除
 防除こよみ(※)を参考にしてください。農薬を使用する際は、農薬使用基準を遵守し、農薬使用履歴を記帳してください。花腐細菌病は、4月中旬頃の主幹か主枝への環状剥皮(かんじょうはくひ)で防ぐことができます(図6)。

▲図6 環状剥皮

   5mm幅で樹の皮を一周剥がす
   鎌や剥皮器などを用いるとよい

 

・施肥例
 休眠期(1月:元肥)、果実肥大期(6月:追肥)、収穫前後(10月:お礼肥)に施用します。
土壌が乾燥して水切れすると、すぐに葉が萎れたり、落ちたりしてしまいます。よく観察して、早めにかん水してください。

 

(※)防除こよみについては、お近くの営農生活センター、もしくは以下のリンク先よりご確認ください。

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