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キンセンカの管理~年末出荷~          

[2021.08.01]

●営農技術指導員 大澤梅雄●

質問
 キンセンカの入った仏花を年末に出荷したいのですが、いつ頃種を播けばよろしいでしょうか。

回答
 仏花を直売所に出荷している人の悩み。それは「冬の間、仏花に使える花が少なく難儀する」。という話はよく聞きます。
 昔から年末出荷の露地切り花産地は、暖地に形成されました。代表的な産地は千葉県の房総半島です。当地のように「伊吹おろし」という厳しい寒風が吹きさらすところでは、露地物の出荷はありませんでした。
 そこで、露地でも年内出荷ができるかどうか実証してみました。その結果を今月はお知らせします。

1 播種時期と出荷時期
(1)8月中旬に播くのが最適です。出荷は11月下旬から始まります。
(2)9月下旬播種では出荷が3月出荷となりました。

2 播種
⦁  発芽適温は20℃、8月の平均気温は平年値で28℃とかなり高温ですので、播種後クーラー室に入れるなり、遮光ネットやヨシズなどで涼しい環境に整えてください。
⦁  直播もできますが、セルトレーに播いた方が、播種後、より涼しい場所を求めて移動できる利点があります。
(3)種子は25粒⁄㎖と大きく、目安として本ぽ1a当たり300㎖の種子を用意します。

3 定植
 本葉3~4枚で定植します。早まきは株が大きくなりますので株間30㎝、条間30㎝と広めにとり2条植えとします。

4 摘心
 無摘心の1本仕立ては茎が太くなりすぎるので、必ず摘心します。目安は5枚葉残しで摘心します。

5 寒さ・雨・風対策
 完全な露地状態では切り花品質が落ちました。
 定植直後から株の上部にポリフィルムを張ることによって、寒さ、雨、風、病気などによる茎葉の損傷を防ぎ、品質の良い切り花が収穫できました。ごく簡単な対策で十分です(写真1)。

6 施肥
 元肥は成分量でN・P・Kをそれぞれ10kg施します。定植直後から写真のような対策をした場合は、雨が当たらないため、追肥は固形肥料より液肥を中心とします。N・P・Kが入った総合液肥の500倍液、又は硫安や硫酸カリなどの単肥500倍液を潅注します。窒素の多用は茎葉を軟弱にしますので、必ずリン酸、カリも忘れずに施用してください。

7 収穫
 2節程度を残して採花することで側枝の発生を促し、2番花、3番花と開花が続き、11月下旬から5月まで収穫できました。

▲写真1 ポリフィルムによる簡易被覆 

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