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ベニジウムの管理~溢液~          

[2023.02.01]

●営農技術指導員 大澤梅雄●

質問
 去年12月7日の朝、切り花を栽培している畑で、ベニジウムだけが葉の縁に水滴がついていました。こんな現象を見るのは初めてです。何か不吉なことが起こるのでしょうか。

回答
 おそらくこれは溢液(いつえき)現象かと思われます。高等植物では広く見られるそうで、イチゴではしばしば見受けられます。しかし、ベニジウムで遭遇するとは大変珍しいことだと思います。
この不思議な現象は根圧(茎の中の水を押し上げる根の力)と葉の蒸散作用(葉から水蒸気が放出される現象))とが関係しているといわれています。つまり「地上部に送られた水は、植物体表面から水蒸気として空気中に蒸散される一方、一部は葉の先端などにある水孔から水滴の状態で排出される。夜間に高湿度条件で蒸散が抑えられたときにおこり、昼間には見られない。排水は根圧が高まることで生じることから、根の給水能力を表す指標として利用される(1)」と事典に記されています。また、イチゴ栽培では「溢液は移植、定植後における活着の進み具合を知らせる。露のうきだしが順調なら活着も良好で、次の管理の手がかりにもなる(2)」と考えられているそうです。
 以上のことから、今回の溢液はベニジウムが順調に活着し、旺盛に生育している証拠といえます。不吉なことの前兆というよりもむしろ吉報が届いたことになります。
なお、前日の最高気温から当日の最低気温を差し引いた温度差は11.1℃とかなり大きく、11月21日から12月31日までの温度差度数分布では、13℃以上が1日、11℃以上が5日、10℃以上が3日、10℃未満が32日であった。また、12月6~7日の降雨はありませんでした。

参考図書
(1)(独)農業生物系特定産業技術研究機構編集,「農業技術事典」,農文協,2006年
(2)木村雅行,奈良農業試験場,「野菜園芸大百科」,農文協,2006年

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