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4月の果樹だより

[2018.04.01]

●杉山文一営農技術指導員

落葉果樹類の着果管理

1 摘果

大きくて美味しい果実をならせるには、1樹の着果数を減らして適正着果量にすることが必要です。着果量が多いと小玉が多く、大きくて美味しい果実が出来ません。幼果を間引いて、適正着果量にする作業が、摘果です。

(1)摘果の目的

① 美味しくて、大きい果実をつくるには、摘果をして着果数を減らすことが重要です。果実どうしの養分競合を少なくし、形・大きさを適正にする作業です。果実が着きすぎると、葉の光合成産物が多くても1果当たりの配分量がすくなくなり肥大が悪くなります。

② カキやブドウなどの結果母枝性の樹種は、着果数が多く、収量が多いと来年のための花芽分化が不十分となります。そのため、隔年で結実する隔年結果となるため、摘果をして隔年結果を防止します。

③ 着果数が多いと小玉の果実が多くなり、大きくて美味しい果実となりません。毎年大きい果実をならせるには、摘果といって着果数を減らし、適正着果量にすることが重要です。

④ 大きくて形の良い、美味しい高品質の果実を、毎年生らせるために行 います。

(2)カ キ

摘果は品種によって多少の違いはありますが、富有が基本であり、図1の様に摘果します。残す果実は、ヘタが大きくて形の良い大きい果実です。

摘果の方法は、次の様におこないます。

① 摘果時期は、早い方が効果が高いが、生理的落果が終わる7月中下旬に仕上げ摘果をおこないます。

② 摘果する果実は、病害虫被害果・傷害果・奇形果・小玉果・ヘタ小さ   くて変形な果実です。そして、縦長で大きくて綺麗な果実を残すように します。

③ 早秋は、時期は7月下旬で結果母枝1本当たり2果を残します。

④ 太秋は、時期は7月上旬で20cm以上の強い結果枝に1果とします。

⑤ カキは、遅く着果制限をすると富有系品種においてヘタスキ果が発生し、品質が低下します。摘蕾・摘果(2回)をおこない、7月下旬には着果制限をしてください。

 

(3)モ モ

摘果は、図2の様に結果枝の長さ別に、結果枝の中心から先の方の部分に、形の良い大きい果実を残します。

摘果の方法は、次の様におこないます。

① 摘果時期(最終)は5月下旬で、袋かけ前に着果量の制限をします。

② 早い方が効果が高いが不受精の区別がついてから行い、中段から下段を中心に摘果する。

③ 摘果する果実は、小玉果・奇形果・病害虫被害果・生理障害果です。

そして、縦長で大きくて綺麗な果実を残すようにします。

④ モモは、摘蕾、予備摘果、本摘果と3回程度で着果制限します。遅く、1回で着果制限すると、小玉で核割れや裂果の原因となり品質の低下する原因となります。

 

(4)スモモ

摘果は、図3の様に結果枝の長さ別に、結果枝の中心から先の方の部分に、形の良い大きい果実を残します。

摘果の方法は、次の様におこないます。

① 仕上げ摘果は、品種によって違ってきますが、収穫期の早い大石早生で 満開40日頃に5月上旬頃におこないます。

② 予備摘果は早い方が効果が高いが、開花が早いため不受精の区別がついてから行い、中段から下段を中心に摘果する。

③ 摘果する果実は、小玉果・奇形果・病害虫被害果・生理障害果です。

そして、縦長で大きくて綺麗な果実を残すようにします。

④ スモモは、摘蕾、予備摘果、本摘果と3回おこなうと高品質果実生産が可能です。1回で着果制限すると、小玉や核割れや裂果の原因となります。

 

(5)ウ メ

ウメは、一般的には果樹のなかでも摘果をしない作目です。しかし、結実の良い年は、小玉になる傾向です。大粒系品種(南高・白加賀)では、結実の良い部分を中心に4月下旬頃に摘果をすると大きくて果肉の厚い漬けウメに適した果実が生産できます。

(6)キウイフルーツ

摘果は品種によって多少の違いはありますが、ヘイワードが基本であり図4の様に大きくて形の良い果実を残します。

① 摘果時期は果実の形が確認できる6月中下旬までにおこないます。 

③ 1つの葉えきから3つの花を生じるので、真ん中の1つを残す。

④ 新梢は重ならないようにします。

⑤ 摘果する果実は小玉果・奇形果・病害虫被害果です。そして、縦長で  大きくて綺麗な果実を残すようにします。

⑥ レインボーレットは、6月中旬に1結果枝当たり3果以内に残します。

⑦ キウイフルーツは、6月中旬までに大きくなる形質ができます。6月下旬に小さい果実は大きくなりません。

 

(7)ブドウ

ブドウの大粒(巨峰系)品種は、摘房をしてから果房の粒数を制限(摘粒)して収量制限をします。また、小粒(デラウエア)品種は、ジベレリン処理前に摘穂して着房制限します。

ア 大粒系品種(巨峰・藤稔)

① 摘房時期は6月上旬の袋かけ前です。

② 摘房する果房は新梢の基部と先の方についている房・小房・花振るいした房です(図5)。

③ 大粒(巨峰系)品種は、摘房をしてから果房の粒数を制限(摘粒)して収量制限をします。

 

イ 小粒系品種(デラウエア)

① 新梢は、重ならない様にします。

② 摘房する果房は新梢の基部と先の方に着いている房・小房・花振るいした房です。

③ 小粒(デラウエア)品種は、ジベレリン処理前に摘穂して着房制限します。

 

2 袋かけ・傘かけ

モモ・ブドウは、外観を綺麗にして高品質な果実を生産にするために行います。また、病害虫の加害を軽減するため、減農薬の効果もあります。

袋かけの効果は、①裂果や裂皮を防止し、果実の外観を綺麗にする効果があります。②着色を良くし、鮮やかな色に仕上げます。③果実への病害虫の加害を軽減します。

スモモでは、新品種の貴陽が雨水による裂果が多く、裂果を防止することを目的に傘かけを行います。傘かけは、雨水を防ぐため裂果の防止し綺麗な外観となります。

時期や種類は、表を参考にして行ってください。

 
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