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4月の果樹だより

[2019.04.01]

●杉山文一営農技術指導員

<硬核類(ウメ・モモ・スモモ)の摘果と落葉果樹の袋かけ>

1 ウメ・モモ・スモモの摘果

 大きくて美味しい果実をならせるには、1樹の着果数を減らして適正着果量にすることが必要です。着果量が多いと小玉が多く、大きくて美味しい果実が出来ません。幼果を間引いて、適正着果量にする作業が、摘果です。

 摘果は、家庭果樹でも1回はおこなった方が良いでしょう。

(1)摘果の目的

① 美味しくて、大きい果実をつくるには、摘果をして着果数を減らすことが重要です。果実どうしの養分競合を少なくし、形・大きさを適正にする作業です。果実が着きすぎると、葉の光合成産物が多くても1果当たりの配分量がすくなくなり肥大が悪くなります。

② 着果数が多いと小玉の果実が多くなり、大きくて美味しい果実となりません。毎年大きい果実をならせるには、摘果といって着果数を減らし、適正着果量にすることが重要です。

③ 大きくて形の良い、美味しい高品質の果実を、毎年生らせるために行 います。

(2)モ モ

 摘果は、図1の様に結果枝の長さ別に、結果枝の中心から先の方の部分に、形の良い大きい果実を残します。

 摘果の方法は、次の様におこないます。

① 摘果時期(最終)は5月中旬で、袋かけ前に着果量の制限をします

② 早い方が効果が高いが不受精の区別がついてから行い、中段から下段を中心に摘果する。

③ 摘果する果実は、小玉果・奇形果・病害虫被害果・生理障害果です。

 そして、縦長で大きくて綺麗な果実を残すようにします。

④ モモは、摘蕾、予備摘果、本摘果と3回程度で着果制限します。遅く、1回で着果制限すると、小玉で核割れや裂果の原因となり品質の低下する原因となります。

(3)スモモ

 摘果は、図2の様に結果枝の長さ別に、結果枝の中心から先の方の部分に、形の良い大きい果実を残します。

 摘果の方法は、次の様におこないます。

① 仕上げ摘果は、品種によって違ってきますが、収穫期の早い大石早生で 満開40日頃に5月上旬頃におこないます。

② 予備摘果は早い方が効果が高いが、開花が早いため不受精の区別がついてから行い、中段から下段を中心に摘果する。

③ 摘果する果実は、小玉果・奇形果・病害虫被害果・生理障害果です。

そして、縦長で大きくて綺麗な果実を残すようにします。

④ スモモは、摘蕾、予備摘果、本摘果と3回おこなうと高品質果実生産が可能です。1回で着果制限すると、小玉や核割れや裂果の原因となります。

(4)ウ メ

ウメは、一般的には果樹のなかでも摘果をしない作目です。しかし、結実の良い年は、小玉になる傾向です。大粒系品種(南高・白加賀)では、結実の良い部分を中心に4月下旬頃に摘果をすると大きくて果肉の厚い漬けウメに適した果実が生産できます。

 

2 袋かけ・傘かけ

 モモ・ナシ・ブドウ・ビワ・リンゴは、外観を綺麗にして高品質な果実を生産にするために行います。また、病害虫の加害を軽減するため、減農薬の効果もあります。

 袋かけの効果は、①裂果や裂皮を防止し、果実の外観を綺麗にする効果があります。②着色を良くし、鮮やかな色に仕上げます。③果実への病害虫の加害を軽減します。

 スモモでは、新品種の貴陽が雨水による裂果が多く、裂果を防止することを目的に傘かけを行います。傘かけは、雨水を防ぐため裂果を防止し綺麗な外観となります。

 時期や種類は、表を参考にして行ってください。

 

<ブルーベリー栽培のポイント>

1 栽培品種

 ブルーベリーは3系統あり、①ハイブッシュブルーベリー系では、北部ハイブッシュブルーベリー(寒冷地向き)、南部ハイブッシュブルーベリー(温暖地向き)、半樹高ハイブッシュブルーベリー(寒冷地向き)があり、②ラビットアイブルーベリー系(温暖地向き)とローブッシュブルーベリー(北アメリカの野生種)がある。愛知県尾張地域で栽培しやすい品種は、温暖地向きでハイブッシュブルーベリー系の南部ハイブッシュブルーベリーとラビットアイブルーベリー系の品種がある。南部ハイブッシュブルーベリーは、冬に暖かい地域も、休眠から覚めやすい性質があり、酸性土壌で生育が良い。また、ラビットアイブルーベリーは、木の高さは1~3m程度になり、樹の勢いもよく、ハイブッシュに比べて土壌を選ばず栽培できます。夏の高温や乾燥にも強い。

(品種)

○南部ハイブッシュブルーベリー

フローダブルー、ブルークリスプ、ジュウェル、マグノリア、ミスティー、オニール、アザークブルー、リベイル、サンタフェ、サファイア、スター、サミト

○ラビットアイブルーベリー

アリスブルー、ボールドウィン、ベッキーブルー、ブライトウェル、クライマックス、フームベル、オノ、パウダーブルー、ティフブルー、ウッダード、アラバファ、オースチン、アイラ、オクラッカニー、オンズロー、ヤドキン

* ブルーベリーは、1品種では結実が悪く、同系統での2品種が必要です。植え付ける品種は、ハイブッシュブルーベリー系とラビットアイブルーベリー系の別々の系統で、同系統での2品種を植え付けてください。違う系統では、結実がよくありません。

2 土壌管理と施肥

 ブルーベリーは他の果樹と異なり、酸性土壌でないと生育がよくありません。そのため、庭植えの時は、植え穴をなるべく大きく掘って、土壌が酸性になるように土壌改良材である酸性度の高いピートモスを土壌に混入することが必要です。また、鉢植えでは、使用する用土が酸性になるように土壌改良材で調整します。そして、乾かないように、株元に有機物(ピートモス等)を秋から冬期に土作りとして敷くことが大切です。

 土壌改良材として、pH3.0~4.0の酸性度の高いピートモスを敷いて土壌の酸性度を保つようにしてください。

3 施 肥

 施肥は基肥が10月~12月で、追肥が5月で、礼肥が8月です。ブルーベリー用の肥料がありますので、使用すると土壌がアルカリ性にならず便利です。

4 かん水

 かん水は、年間を通して土壌の表面が乾いたら実施してください。特に、夏場の高温乾燥時期では、こまめなかん水が必要です。

 かん水は、夏の乾燥時には十分におこない、

5 整枝せん定

 時期は、落葉してから、2月中旬までです。図4を参考にしてください。

 定植して4~5年すると、基部の太さ1~2cmの枝が数本でき、主軸枝となります。これらが株の基本的樹形を株の基本的樹形を構成してブッシュ状の姿形をつくります。この時期、樹の中央部で込んでいる部分や強いシュートはせん除して、株内部へほどよく光線が入るようにする。また内向枝や下垂枝、ぶつかり合うような余分な枝も、管理しやすいようにせん除します。

6 病害虫防除

 病害虫の被害が少なく、十分に手入れをすれば薬剤散布をしないで栽培ができます。しかし、茎や枝にカミキリムシとコウモリガが加害し、収穫直前にキイロショウジョウバエが発生することがあります。防除に注意してください。     

 十分に手入れをすれば、無農薬で栽培ができます。

7 鳥害対策

 成熟期に達した果実は、鳥の被害があり、防鳥網を設置する必要があります。

8 収 穫

 ブルーベリーは果色が完全にブルーとなったものから摘み取ります。完熟すると果梗のつけね部に離層ができるため、外観から未熟果との区別が容易につきます。未熟果は果梗のつけね部にピンク色が残っています。成熟果を1果ずつ手で摘み取ります。

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