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4月の果樹だより

[2020.04.01]

●杉山文一 営農技術指導員●

結実の確保と硬核類の摘果と落葉果樹の袋かけ

1 結実の確保
 結実を確保するには、授粉樹として2品種以上を混植するか人工授粉をおこなう必要のある作目が多くあります。柑橘類やブドウは自家結実率が高いですが、表を参考にして結実確保を図ってください。

▲表 結実の確保

2 硬核類(モモ・スモモ・ウメ)の摘果

 大きくて美味しい果実をならせるには、1樹の着果数を減らして適正着果量にすることが必要です。着果量が多いと小玉が多く、大きくて美味しい果実が出来ません。幼果を間引いて、適正着果量にする作業が摘果です。摘果は、普通2回から3回おこないます。
 摘果は、家庭果樹でも仕上げ摘果時に1回はおこなうと良い果実が生産できます。
(1)摘果の目的
① 美味しくて、大きい果実をつくるには、摘果をして着果数を減らすことが重要です。果実どうしの養分競合を少なくし、形・大きさを適正にする作業です。果実が着きすぎると、葉の光合成産物が多くても1果当たりの配分量がすくなくなり肥大が悪くなります。
② 着果数が多いと小玉の果実が多くなり、大きくて美味しい果実となりません。毎年大きい果実をならせるには、摘果といって着果数を減らし、適正着果量にすることが重要です。
③ 大きくて形の良い、美味しい高品質の果実を、毎年生らせるために行 います。
(2)モモの摘果
 摘果は、図1の様に結果枝の長さ別に、結果枝の中心から先の方の部分に、形の良い大きい果実を残します。

 摘果の方法は、次の様におこないます。
① 摘果時期(最終)は5月中旬で、袋かけ前に着果量の制限をします
② 早いと効果が高いが不受精の区別がついてから行い、中段から下段を中心に摘果します。
③ 摘果する果実は、小玉果・奇形果・病害虫被害果・生理障害果です。
そして、縦長で大きくて綺麗な果実を残すようにします。
④ モモは、摘蕾、予備摘果、本摘果と3回程度で着果制限します。遅く、1回で着果制限すると、小玉で核割れや裂果の原因となり品質の低下する原因となります。

(3)スモモの摘果
 摘果は品種によって違いがありますが、一般的に図2の様に結果枝の長さ別に、結果枝の中心から先の方の部分に、形の良い大きい果実を残します。
 摘果の方法は、次の様におこないます。
① 仕上げ摘果は、品種によって違ってきますが、収穫期の早い大石早生で 満開40日頃に5月上旬頃におこないます。
② 予備摘果は早いと効果が高いが、開花が早いため不受精の区別がついてから行い、中段から下段を中心に摘果します。
③ 摘果する果実は、小玉果・奇形果・病害虫被害果・生理障害果です。
そして、縦長で大きくて綺麗な果実を残すようにします。
④ スモモは、摘蕾、予備摘果、本摘果と3回おこなうと高品質果実生産が可能です。1回で着果制限すると、小玉や核割れや裂果の原因となります。

(5)ウメの着果制限
 ウメは、一般的に果樹のなかでも摘果を重視しない作目です。しかし、結実が良く着果の多い年は、小玉になる傾向です。大粒系品種(南高・長束・白加賀・古城・青軸)では、結実の良い部分を中心に4月下旬頃に摘果をすると大きくて果肉の厚い漬けウメに適した果実が生産できます。

3 袋かけ・傘かけ
 生産者では、栽培の省力化を図るため、モモやナシでは無袋栽培がおこなわれています。家庭果樹では農薬の使用を減らすためにも袋を掛けてください。
 袋は、モモ・ナシ・ブドウ・ビワ・リンゴでは、外観を綺麗にして高品質な果実を生産します。また、病害虫の加害を軽減するため、減農薬栽培としての効果もあります。
 袋かけの効果は、①裂果や裂皮を防止し、果実の外観を綺麗にします。②着色を良くし、鮮やかな色に仕上げます。③果実への病害虫の加害を軽減します。
 スモモでは、新品種の貴陽が雨水による裂果が多く、裂果を防止することを目的に傘かけを行います。傘かけは、雨水を防ぐため裂果を防止し綺麗な外観となります。
 袋は、モモ・ブドウ・ナシ・リンゴ・ビワによって種類が違います。作目別の専用の袋を、表を参考にして行ってください。

▲表 作目別の袋・傘の種類

 

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