「農業は目に見えない“心の充足感”を与えてくれる、自分にとってかけがえのないもの」と話す隆光さん。自動車関係の仕事を定年退職した後、先祖代々受け継がれてきた畑で農業を始めました。

　現職の頃は、退職したらのんびり暮らすのだろうと想像していましたが、いざ畑を耕してみると休んでいる暇もなく、毎日農作業に励んでいます。自給自足程度に始めた農業でしたが、3年前にJAの営農担当者からの勧めもあり、FMぐぅぴぃひろばへの出荷を始めました。

　市やJAが開講する農業講座はすべて参加し、熱心に農業に知識を学んでいる隆光さん。最近のお気に入り教材は。動画配信サイト「YouTube」です。動画を見て学ぶことができるので、具体的にイメージしやすく使い勝手が良いと、オンライン学習に力を入れています。

　こだわりは肥料づくり。米ぬかや籾殻をきぶしやきして炭化させた燻炭などを混ぜ合わせ、1～2か月ほど発酵させたものを土に混ぜています。

　「父親が農業をやっているときは“泥だらけになってまでよくやるなぁ”と傍観していたが、実際にやってみるとその労力に対する対価は想像以上だった。当たり前のことを当たり前にやり遂げることが農業はもちろん、人生においても楽しめる秘訣ではないか」と笑顔を見せました。

（ＪＡ尾張中央　広報誌ふれあい２０２１年３月号「農の現場から」掲載）