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リアトリスの管理 ~播種・収穫~

[2017.05.01]

●営農技術指導員 大澤梅雄

質問
 「直売所には真(しん)に使えそうな花材がない」と活花の先生はよく言います。そこで、真に使えてしかも手軽に作れる、そんな花があったら教えてください。

回答
 真の花となるとある程度の茎長が要求されます。その点、リアトリスは露地で栽培しても難なく1mにも伸びるのでお勧めです(写真)。

写真  リアトリス

1 特徴
(1) 北アメリカ原産のキク科植物です。根は塊根状となることから種苗カタログでは球根に分類されていますが、習慣上宿根草として取り扱われています。
(2) 棒状に長く伸びた花茎の先には無数の集合花が着生し花穂となります。和名キリンギク(スピカータ種)とは実にうまい表現です。
(3) 花は舌状花を欠き管状花のみからなり、花色は赤紫と白の2色のみで華やかさはありません。しかし、先端の花から咲き始め、漸次下の方へ向かって咲く様は、他の花には見られない面白い性質なのです。通常、穂状に咲く植物は下から上へと咲きます。
(4) 丈夫な植物ですのでどんな土質でもよく育ちます。また、日当たり良好な環境を好みます。

2 繁殖
 実生及び株分けによります。
 絵袋で種が売られていますので、直売所向け少量生産では種から育てるのが良いかと思います。早く大量に生産したい場合には種苗会社から球根を購入します。

3 栽培
(1) 品種
 「鍾馗」、「コボルト」などがあります。
(2) 播種
 発芽適温は20℃と高いので、5~6月に播種します(図)。育苗床に条播きするか128ないし200穴セルトレーに播き、種子が隠れる程度に覆土します。およそ10日程度で発芽してきますが、梅雨を過ぎると発芽力が落ちる傾向にあります。

図  リアトリスの作型

(3) 仮植
 本葉3~4枚になったら2.5号鉢に鉢上げし苗の育成を図り、30日後には定植します。
(4) 施肥
 元肥の施用量は各3要素の成分で0.6㎏⁄a程度とします。花茎が10cm程度に伸長してきたら追肥として0.4kg⁄a、開花直後に0.2kg⁄a施し塊根の肥大を促します。
(5) 定植
 植床の幅を80㎝とり、株間30㎝、条間30㎝の2条植えとします。
(6) 定植後の管理
 定植当年は株養成に努めます。寒さによって葉は枯れますが株はそのまま据え置きます。翌年4月上旬には据え置いた株から萌芽してきます。その際に3要素の成分で1㎏⁄a施します。追肥は上記と同様です。
 長年株を据え置くと収穫量の減少を招きますので、据え置き栽培は3年程度とし、再度植え替えを行ってください。あるいは毎年植え替えるという方法もあります。
(7) 病害虫防除
 株が込み合ってきますと白絹病が発生しやすくなります。特に粘土質で排水性の悪い畑は注意して下さい。対策としては、①毎年植え替える、②土壌表面に消石灰を散布する、③殺菌剤「モンカットフロアブル40」千倍液の株元散布などがあります。
(8) ネット張り
 強風で花茎が曲がることがありますので、目合い20cmの3目フラワーネットを張って栽培します。
(9) 収穫
 花穂の先端が咲いたら地上部の茎を10cm程度残して収穫します。

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