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植物図鑑 アカシア スペクタビリス 【花木苗】 

[2016.05.01]

●大澤梅雄営農技術指導員

[学名]:Acacia spectabilis A.Cunn.ex Benth. (アカーキア スペクタビリス) (1)
[科名]:マメ科
[流通名]:アカシア スペクタビリス
[和名]:
[英名]:Glory Wattle(グローリーワトル)、Mudgee Wattle (マッジーワトル)
[原産地]:オーストラリア ニューサウスウエールズ州
[名前の由来]:属名はギリシャ語で「刺がある」という意味のakazoに由来する。小枝に鋭い刺を持つ種がある。種小名はラテン語で「人目を引く」 (2)(3)の意で、他種より花が大きいことから命名されたと思われる。英名のグローリーワトルは「栄光のアカシア」の意で、オーストラリアではアカシアをワトルと言う。マッジーはニューサウスウェールズ州の中央部に位置する町の名前。
[特徴]:①常緑樹。高さ3~6メートルの低木。②耐寒性強く当地では露地で越冬可能。③酸性から中性土壌が適。④浅根性。⑤樹の生長が早い代わりに寿命は比較的短く10~20年。⑥植え替え不可。⑦根粒菌着生。⑧硬実種子。
[形態]:①開花は4月。②花は葉腋から花柄を伸ばし、比較的大きな黄色い球状花を30個ほど着け、長さ7~12cmの総状花序(房)となる。花には甘い香りがある。無数着くため木全体が黄色に見え美しい。③枝は細くしばしば下垂する。葉は青緑色で2回羽状複葉。銀葉アカシアよりやや大きな先の丸い小葉が4~8対着く。
[栽培]:①繁殖はもっぱら実生で行うが、優良母本維持のため取り木や挿木を行うこともある。実生は採り播きが良い。7月に熟した種子を採り播きすれば10日程度で揃って発芽する(4)。乾燥した硬実種子の場合は、種皮をヤスリで傷をつけるなり、100℃の熱湯で5~10分間煮沸し、12~24時間水に浸けた後播種する(5)取り木は、前年または本年生の固まった新梢部分を環状剥皮して高取り木すれば35~40日で移植できる苗となる。挿木は成木から採った穂木では発根せず、実生2か月以内の幼苗なら良く発根する。②本種は直根性で移植を嫌うため、鉢で育苗すると良い。砂床へバラ播き後1cm程度覆土し、本葉が展開する前に3号鉢へ鉢上げ、更に4号鉢へ移植し育苗する。あるいは、最初から3号鉢に数粒播種する。大苗を作る場合は、更に6~8号鉢に移植し1年間育苗する。冬季はビニールハウスか簡易フレーム内で管理すると生長は早い。③定植は、日当たりと排水性の良い場所に、春または秋に行う。樹冠は大きくなるので2.5×2.5m間隔、深さ40cmの植穴を掘る。植穴にはバーク堆肥を入れて土づくりを行い苗を植える。マメ科植物であるので肥料は少量で良いが、生育状況を見て追肥を与える。④定植後の管理は、支柱立てとアオムシやうどん粉病等の防除に努める。⑤剪定は花後に行うのが基本であるが、十分に広い庭ならば剪定しない方がかえって花も多くなり美しい。ただし、大木になるにしたがい強風で倒れることもあるので、伸びすぎた開花枝は間引き剪定なり、切り返し剪定を行い風通しを良くしておく。

[利用]:庭木、切り花
[歴史・文化]:最近流通するようになった。樹高が低く、花が比較的大きいことからオーストラリアでは人気がある。

(注1): [ ]内は販売形態を表す。
(注2):撮影協力 JAグリーンセンター ガーデンセンター不二
(注3):本文中の(数字)。は、参考図書及びウエブサイトの番号。
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参考図書及びウエブサイト
(1)上中幸治・藤野守弘(1994):園芸植物大事典,小学館
(2)Lorraine Harrison,上原ゆうこ訳(2014):植物ラ+テン語事典,原書房
(3)Australian National Botanic Gardens,Acacia spectabilis
https://www.anbg.gov.au/gnp/gnp2/acacia-spectabilis.html(2018/3/25最終アクセス)
(4)船越桂市(2002):花卉園芸大百科14花木,農山村文化協会
(5)脇坂誠(1976):植木のふやし方,誠文堂新光社

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