
パパイヤが実った
[2018.06.01]
小牧市外堀の川島公子さんは、同市高根のグリーンセンター桃花台店で一本千五百円の苗木を買い、本州では珍しい熱帯果樹パパイヤを3㍍近くまで育て五個の実を収穫されました。完熟にはいたらなかったため、キムチやゴーヤチャンブルにして食べられたそうです。
今年は、春日井市松本町にあるガーデンセンター不二店から苗を取り寄せ完熟パパイヤを目指して再チャレンジされます。
「夏の天気予報で『今日は暑くなる』といった予想が出ると皆さんはげんなりすると思うが、私はパパイヤが大きくなると思いワクワクする」と笑顔で話されます。
以下、川島さんがパパイヤが実った喜びを綴った手記を紹介します。 (H)
「ハパイヤが実った」
食生活の習慣というか、幼い時何を食べていたかと、と言うことでその人の一生の食べ物の好みも決まってくるらしい。私は四歳まで台湾で育った。当時の「おやつ」は屋敷の中にあるバナナ、パパイヤ、マンゴーなどであった。高齢者になった今も、パパイヤやマンゴーの魅惑的な香りと味は、他に比較する物が無いくらい好物である。有難いことに今は、貿易自由化のお蔭で、これから熱帯、亜熱帯の果物が手軽に購入出来る。
一昨年のこと、時々のぞく高根のJA尾張中央グリーンセンター桃花台店でパパイヤの苗木を見つけた。一本千五百円で買って帰った。しかし、果実どころか花の一個も付かぬまま晩秋を迎え、二㍍位に育った木は寒さで枯れた。翌年、つまり去年も、桜が咲く頃から数回グリーンセンターへ通い、五月下旬にやっとパパイヤの苗木に出会った。二本並んでいたうちの一本を買い大切に育てた。30度を越す真夏日が続きパパイヤの苗木はグイグイ伸びた。そしてある日、薄黄色の小さい花が数個付いた。しかし、喜ぶ前に私は慌てた。さあ、この木は雌雄異株か雌雄同株か。一本しかない木だから今さら雄木だったとしても仕方ない。と思いながら綿棒で受粉らしきことをしてみた。数日後、緑色の飴玉くらいの実が見え頭に付いていた花はポロリと落ちた。
我が家で、パパイヤが五個、見事に結実した。ところが、日本の場合、沖縄では黄色に熟したパパイヤを食べることが出来るが、ここ小牧の気温では、元来メキシコ、コスタリカ地方を原産とする世界の熱帯、亜熱帯で栽培されているパパイヤは熟するところまでいかない。11月に入る頃、15~18㌢に育った緑色の果実を五個収穫し、一個知人に分け、二個は薄く切って豚肉と一緒に炒めゴーヤチャンプルのようにして食べた、あと二個は、やはり薄く切ってキムチにした。果肉の食感は歯応えがあった。つまり硬かった。
兎に角、小牧の気候でパパイヤが三㍍近くまで伸び、果実が付いたことは、自分だけの喜びではなく、近所の人たちも楽しませてくれた。今年も再度この快感を味わいたいと苗木を求めてグリーンセンターへ通っている。
外堀一丁目、 川島公子 (原文のまま)