ホーム > ふれあい > 広報担当者のブログ

桃の栄養と料理

[2023.06.17]

 6月17日に発行した旬刊ぐぅぴぃの作成にあたり、中部大学 応用生物学部 食品栄養科学科に所属し、管理栄養士を目指して日々勉強に励んでいる学生さん達に桃の栄養の特徴と料理への活用について教えていただきました。誌面に載り切らなかった貴重な情報をこちらで全てご紹介します。

<桃の栄養と料理>

中部大学 応用生物学部
食品栄養科学科 管理栄養科学専攻

▲桃の栄養と料理への活用方法について教えてくださった学生さんと先生(時計回りに上段中央から西田優さん、松崎翔也さん、野口友花さん、松浦瑞希さん、山中由実先生)

1.栄養の特徴
 1)栄養成分
  果物の1食当たりの重さ100gに含まれる成分について比較したものです。

・エネルギーが低い
 桃は炭水化物が少ないのでエネルギーが低いという特徴があります。
 体重が気になる人や糖尿病の発症を少しでも気にしている方は「桃」を選んでください。
・カリウムが多い
 多くの果物にはカリウムが多く含まれています。
 カリウムは、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿中への排泄を促進するため、血圧を下げる効果があります2)

・たんぱく質、脂質、ビタミンCが少ない

2)機能性成分
リンゴ酸
 有機酸の一種であるリンゴ酸が多く含まれてます3)
リンゴ酸は疲労回復作用があり、エネルギー補給に欠かせない成分であるためスタミナ維持に欠かせない成分です4)

ポリフェノール(フラボノイド)
 ポリフェノールは抗酸化作用があり、LDLコレステロールの上昇を抑えて動脈硬化症を防ぎ、心疾患を予防する働きがあります5)

2.調理特性
 1)果肉が軟らかい
  傷つきやすいので、やさしく扱ってください。
  軟らかく、つぶしやすいので乳児への離乳食、高齢者の嚥下食に適しています。

 2)褐変しやすい
 皮をむいておくと果肉が空気の酸素によって茶色に変化します(褐変)。
 これはレモン汁のような酸性の液体をかけることで防ぐことができます。

 

3.料理への活用
1)離乳食として:水分が多く、軟らかいので、果肉をそのままつぶすことができます。
ポイント1.褐変を防ぐためにレモン汁を用います。
ポイント2.桃はたんぱく質やビタミンCが少ないのでこれを他の食材で補います。

【桃のピューレ】
材料(作りやすい分量)

桃 1個
レモン汁 大さじ1

作り方
① 桃(1個)は割れ目にそって包丁を入れ、ねじって実を外す。皮を剥き、実は2cm角に刻む。レモン汁を大さじ1加える。
②①をブレンダーかフォークの背でつぶす。

ポイント2を補うための応用料理
応用1.たんぱく質を補う:ヨーグルトの上にピューレをのせる。
応用2.ビタミンCを補う:桃をレタスなどと一緒にミキサーにかける。
応用3.ビタミンCを補う:皮を湯むきし、種を取り、5㎜角に切ったトマトの上にピューレをかける。
※はじめて離乳食とする場合は、アレルギーの心配があるので、1さじずつからスタートしてください。

▲応用1

▲応用2

▲応用3

2)デザートとして:甘さと水分が多いので、砂糖などの添加物が少なくてもデザートを作ることができます。
【シャーベット】
作り方

⦁ 1)のピューレを冷凍庫用の袋に入れて、冷凍庫に入れる。
⦁ 冷凍庫に入れた袋を時々取り出して、桃を揉む。食べる直前に、取り出してスプーンで桃をかき混ぜ、提供する。
※冷凍庫での保存は1か月くらいを目途にしてください。

▲シャーベット

3)サラダとして
ポイント:桃はたんぱく質と脂質、ビタミンCが少ないため、他の食材で補います。
【桃とトマトのカップサラダ】
不足するたんぱく質はえびとヨーグルト、脂質はマヨネーズ、ビタミンCはトマトで補いました。
材料(2人分)

桃 1/2個
アボガド 1/2個
レモン汁 少々
むきえび 小6尾
トマト 2個
マヨネーズ 大さじ1
プレーンヨーグルト 大さじ1
塩・こしょう 適量

作り方
⦁ 桃とアボガドは皮と種を取り除き、1.5㎝角に切り、レモン汁をかけておく。
⦁ むきえびは背わたを取り除き、茹でて冷ましておく(冷凍のむきえびを茹でてもよい)。
⦁ トマトは上1/4を切ってスプーンで中身をくり抜き、器にする。くり抜いた中身は種を除いて、角切りにする。
⦁ ボウルにマヨネーズ、ヨーグルト、①、②、③を混ぜ合わせる。
⦁ トマトの器に④を盛り付ける。

▲桃とトマトのカップサラダ

▲盛り付けをする野口友花さん

▲完成した料理と桃と一緒に記念撮影

 学生の皆さんに一番人気のメニューは「桃と生ハムとモッツァレラチーズの冷製パスタ」。
「パスタに果物を合わせるという感覚がなかったが、食べてみるととても美味しかったので驚きました」と教えてくれました。
 山中先生は今回の企画について「地域の特産物を題材に、栄養を考えて、料理を提案することは学生にとって良い経験になったと思います」と話してくださいました。
 今回取材にご協力いただいた山中研究室の皆さん、ありがとうございました!

参考文献
1)日本食品標準成分表2020年版(八訂),文部科学省,2020年12月
2)公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット、https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-k.html、2023年5月2日閲覧
3)富山県農林水産総合技術センター園芸研究所果樹研究センター、https://taffrc.pref.toyama.jp/nsgc/engei
4)中村丁次、栄養の基本がわかる図解事典、p147、成美堂出版、2005年6月10日
5)芳本信子、新しい視点生きた知識 食べ物じてん、p210、学健書院、2001年4月10日
6)http://yunokuni.com/2010/06/momo.html

  • ファーマーズマーケットぐぅぴぃひろば
  • ウキウキポイントカード
  • ぐぅぴぃひろばチャンネル
  • ローン相談センター
  • 広報担当者のブログ
  • 営農技術指導員の紹介
  • 広報誌「ふれあい」
  • Aコープ高蔵寺店お買い得品チラシ
  • 不動産センター
ページTOPへ戻る