
アマリリスの管理 ~冬越し~
[2020.11.01]
●営農技術指導員 大澤梅雄●
質問
アマリリスの鉢数が多くなってきたので、寒くなっても家の中へ取り込めなくなりました。冬の間も外で管理したいのですが大丈夫でしょうか。
回答
アマリリスは南米(主にペルー、ブラジル)原産の半耐寒性春植え球根で、5~6月に開花しますが、中には秋にもう一度咲く株もあります。
地上部の生育並びに花芽分化の限界温度は8℃前後(1)で、生育と花芽分化に好適な温度は18~23℃です。この温度が維持されれば1年中開花しますが、わが国の夏の暑さや冬の寒さは苦手で生育開花が止まります。とりわけ冬の寒さが厳しいとところでは枯れてしまうことから、冬越しには株を掘り上げて貯蔵するよう勧められてきました。
ところが、当地では球根を掘り上げず植えっぱなしでも、冬越しするようになりました。地上部の葉は完全に枯れてしまいますが、それでも春になればと新しい葉が出現し開花にいたります。
これは、昔より今のほうが温かくなったことが理由だと考えられます。ちなみに、1971年と2014年で比較してみますと、東京は1.6℃、名古屋は1.3℃(2)とかなり上昇しました。参考までに大阪は1.1℃、福岡は1.0℃で、新潟と那覇は0.7℃の上昇でした。
したがって、鉢植えのアマリリスをいちいち家に取り込まなくても、植えたまま外で管理されてもよいでしょう。それでも心配の場合は、試しに数鉢外において冬越しをさせてみて下さい。結果が良ければすべて外で管理するようにします。
参考図書
(1林 勇,1986,花き園芸の事典,朝倉書店
(2平成28年理科年表