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グラジオラスの管理 ~抑制栽培~

[2018.08.01]

●営農技術指導員  大澤梅雄

 

質問

 夏になると、直売所にはグラジオラスの切り花がたくさん並びます。出荷をずらしたいと思いますが、どうしたらよいでしょうか。グリーンセンターで売られている球根は使えますか。

 

回答

 夏咲き球根は通常春に植え付けます。この植え付け時期を遅らせることによって出荷をずらすことができます。次に、グリーンセンターではグラジオラスの球根を3月から6月にかけて販売しています。店内は冷房が効いていますので、6月になっても消耗の少ない良好な球根を入手することができます。       来年球根を入手して遅出し(以下抑制)栽培を試みてください。

 

1 グラジオラスの特徴

(1定植から70~110日後には収穫できます。

(2) 秋収穫した直後の球根は休眠していますが、冬の低温に遭遇すれば休眠が破れます。皆さんが球根を入手する頃には休眠が破れています。

(3) 本葉2枚が発生した頃に花芽分化し、8~9枚展開した後に開花します。花芽分化のために特別な処理をする必要はありません。

(4) 低温乾燥条件で球根を貯蔵すれば、発根・発芽を抑制することができます。

(5) 子球の下位の脇芽が発達して小さな球根となり、これを木子といいます。これを養成して球根を自給することが出来ます。

(6) 抑制栽培に向いた品種は「トラベラ」、「富士の雪」、「マスカーニ」などがあります。

 

2 抑制栽培とは

 3月定植の7月開花を普通(季咲き)栽培とし、それより遅く定植する作型を抑制栽培。あるいは8月定植の11月開花のみを抑制栽培とするなど、産地によって作型の定義はまちまちです。

 そもそも、グラジオラスの開花調節は特別な技術を必要とせず、定植時期をずらせば簡単に出来ることから、普通栽培と抑制栽培の違いが分かりづらいのです。

 ここでは一応「露地普通栽培は3~6月定植の7~9月開花」、「露地抑制栽培は7~8月定植の10~11月開花」と便宜的に定義しておきます(図)。

 その理由は、①3~6月に植えれば自然に開花する。②7~8月定植は球根の冷蔵貯蔵や高温対策などの技術が必要となる。③品種によっては7~8月定植で生育や品質に障害が発生する。④グリーンセンターの球根販売期間内に植えるのを普通栽培と言った方が直売所向け生産者に理解されやすいこと等です。

 

3 抑制栽培

(1) ほ場の選定

 グラジオラスは連作障害が発生しやすいので、4年程作付けしていない畑を選定します。また、日当たりと排水性の良いことも大切な条件です。

(2) 球根の準備

a 少量生産の直売所向け生産者にとって、種苗会社が発行している営利栽培家用カタログの注文単位は大きすぎます。その点、グリーンセンターは販売単位が小さいので利用しやすいと思います。しかし、球根単価が高くなります。切花収穫後木子を成球に養成して、球根単価を下げる努力が必要です。

b  グリーンセンターの球根は、球周14cmの大球で抑制栽培には最適です。3月から6月中旬まで販売していますので、購入後直ちに2~4℃の冷蔵庫へ入れて、定植時まで貯蔵してください。   

c  自家養成球を使う場合は、冷蔵前にホーマイ水和剤200倍液に30分浸漬し球根腐敗病対策をしておきましょう。

(3) 定植の準備

a  定植の2週間前に牛糞堆肥3kg/mと苦土石灰150g/m施し、土壌酸度を弱酸性に矯正しておきましょう。元肥は定植の1週間前に窒素、燐酸、加里を成分量で各10g/mとし、追肥は本葉3枚ごろに同じく5g/m程度を施します。

b  畝高10~20cm、畝幅90cm(植床45cm)の畝を作る。強風による倒伏を防止するため、目合い15cm、3マスのフラワーネット1段を畝に接するまで下げておきます。

(4) 定植時期

 8月

(5) 定植  

 3マスのうち両サイド2マスに定植し、真中のマスは空けておきましょう。1マスに2球ずつ植え覆土は5㎝とします。フラワーネットのマス目を目安に植えると楽です。

(6) 定植後の管理

a 地温上昇防止のために、発芽までダイオネットを掛けておきます。

b 土壌が乾燥しすぎる場合は適宜かん水してください。 

c 生育に応じてフラワーネットを上げます。

(7) 収穫

 第1~2花が見え始めるころが適期です。球根養成も兼ねて下葉3枚を残して花茎を切ります。

3 注意事項

  抑制栽培に適した品種としては、夏の高温化でもよく発芽し、秋から冬の低照度・短日下でもよく開花することが条件です。

 グリーンセンターや園芸店などは趣味家向けの小口販売で、数多くの品種を取り揃えていますが、抑制栽培に適した品種かどうかは明らかではありません。

 したがって、抑制栽培適応性についてはご自身で確認する必要があります。

 

 

参考図書

小杉 清(1963):「球根の促成と抑制」,誠文堂新光社

浅野 昭、成沢 久(1988):「切り花栽培の新技術 球根 下巻」誠文堂新光社

 
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