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スターチスの管理 ~品質~          

[2020.09.01]

●大澤梅雄 営農技術指導員●

 

質問
今年の3月にスターチス・シヌアータの作型について紹介がありましたが、播種時期の違いによって切り花の長さは変わりますか。

回答 
一般的に卸売市場で取り扱われるスターチス・シヌアータは、業務需要中心ですので5cm以下の短い切り花はないようです。しかし、当直売所は家庭需要中心ですので、出荷規格がなく、どんな長さの切り花でも受け入れています。とはいえ、やはり長いほうが見栄えがして販売上有利ですので、播種時期と切り花長との関係を承知しておかれるとよいでしょう。
⦁ 播種時期と収穫時期
当地でスターチスを播種し、収穫した時期について再度概略を説明しておきます(図1)。
2月と3月に播種しますと当年の6~9月に収穫でき、収穫後はそのまま株を据え置いて栽培すれば翌年の5~6にも収穫できます。
4~11月の播種では当年に開花しませんが、翌年の5~7月に収穫できます。
2 播種 当年の切り花長 
播種当年に収穫した切り花の長さを測定しました。下記(1)の切り花長は30cm未満のごく短いものを除いた平均です。(2)の相対度数は収穫したすべての切り花を10cm刻みに分けて本数を数えてみましたが、結果は2、3、9月播種のみを表示しました。 
(1) 切り花長
2、3月とも平均50cm台の切り花が得られましたが、若干2月播種のほうが3月播種より長い傾向でした(図2)。
(2) 相対度数 
2月播種では60cm台が最も多く30cm代は8%の発生でした。3月播種は40cm台が最多で30cm台は0%でした(表)。
3 播種 翌年の切り花長
播種翌年に収穫した切り花の長さを、上記2と同様にまとめました。
(1) 切り花長 
2~8月播種ではほぼ70㎝台の切り花が得られましたが、9~11月播種はおおむね50㎝台と短くなりました(図2)。
(2) 相対度数 
2~3月播種では8cm台が最も多く収穫でき、30cm台のものは0~6%の発生でした。9月播種は4cm台が最多で、30cm台のものは5%でした。
3 スターチス産地の切り花出荷規格について
 参考までに二つの産地(①、②)の事例では、2L(80cm)、L(70cm)、M(60cm)、S(50cm)に分けられています。
4 まとめ
 この地域では、露地でのスターチス栽培は、秋に播種して5~6月に収穫するのが一般的ですが、播種と収穫時期を詳細に検討すると、秋播きよりも早春の2~3月に播種したほうが、長い高品質な切り花が得られることがわかりました。ただし、2月の播種は15~20℃に加温する必要があります。
また、30cm以下のごく短い切り花はどの播種時期でも発生しましたが、10%未満の発生にとどまったことから、スターチスは無駄のない、産直としてはもってこいの花であると再認識しました。

参考資料
① JA青森経済連やさい部:「Ⅳ県経済連花き出荷規格」,平成7年4月
http://www.applenet.jp/wp-content/uploads/rev00/167-|-3062,pdf
②  JA庄内みどり花き部会:「スターチス取り扱い要領」
http://www.midoriengei.com/hanakikaku/sinu.pdf

 

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