スモモの栽培
[2023.07.01]
最近、多くの品種が育成されています。Webには、花は咲くのに、さっぱり成らないという投稿が多くみられます。自家結実性品種を利用したり、花粉が多く、交配親和性の高い他の品種を混植します。苗木から始める場合には、開花時期も考えた品種を組み合わせるとよいでしょう。
・整枝剪定
落葉してからつぼみが膨らむまでに、花芽や病害の有無を確認しながら行います。特性に合わせた樹型とします。徒長枝や内向枝、下垂枝は、もとから外し、こみあった枝も適当に間引きます。長めの枝の先端を軽く切り返して、翌年の短果枝への花芽着生を期待します。樹勢やこれまでの着果量に応じた剪定ができるとよいでしょう。作業性を考えて、低く仕立てましょう(図1)。
・摘蕾
花が多いときには、上向き、下向きのつぼみを落とします。高い所なら、棒切れか徒長枝で適当に叩き落としてもいいでしょう(図2)。
・人工授粉
短果(花)枝を中心に授粉します。授粉樹との組み合わせによって、かなり実止まりが変わります。品種名や交配親和性がわからない場合には、花の色や実の大きさの異なる品種の花粉を使うとよいでしょう。Webには相性の良い、いろいろな組み合わせが記載されています。開花期が合わない場合は、あらかじめ花粉を保存しておきます。
・摘果・袋掛け・網掛け
着果数が多い時には、果実が重ならない程度に摘果します。葉果比10~20(葉っぱ10~20枚に果実1個)を目安にしてください(図3)。
晩生品種では、病害虫・鳥害防止、外観向上、裂果防止などのために、袋掛けや成熟期前に網掛けするとよいでしょう。
・夏季剪定(収穫前&収穫後)
徒長枝は早めにもとから外します。なるべく、春からの芽かきで対応してください。収穫後には、不定芽や上向きの徒長枝を外します。
・収穫
品種ごとの収穫期・開花後日数を参考に、果皮の色、やわらかさ、香りなどで判断します。たくさん成った場合には、少しずつ収穫するとよいでしょう。取り遅れに注意してください。少し早めに収穫した時は、しばらく室温に置いておくと、食べごろになります。
・病害虫防除
防除・施肥こよみ(※)を参考にしてください。農薬を使用する際は、農薬使用基準を遵守し、農薬使用履歴を記帳してください。病害では、ふくろみ病に、害虫ではアブラムシ類、カイガラムシ類、シンクイムシ類に気をつけましょう。よく観察してください。
・施肥例
発芽前(3月:元肥)、果実肥大期(5月:追肥)、収穫後(7~8月:お礼肥)に施用します。
※:防除・施肥こよみは、お近くの営農生活センターへお問い合わせください。Webからも入手できます。
・品種選定・苗木定植~育成・整枝剪定(総論)については、
このサイトにある、品種の選定・苗木の育成、整枝剪定を参照してください。
●ちょろっと一言●
ギネス重さ記録に挑戦してみませんか。認定の手続きがちょっと面倒ですが、記録は、スモモ「貴陽:きよう」323.77g、ナシ「愛宕:あたご」2,948g、カンキツ「晩白柚:ばんぺいゆ」5,386gです。スモモの他にも、カキとかリンゴならいけそうな気がしないでもありません。
重さ以外にも、ナシやリンゴの皮むきの長さとか、サクランボや梅干しのタネ飛ばしとか、自分史上の新記録でもいいかもです。