チューリップの管理 ~植付け~
[2018.11.01]
●営農技術指導員 大澤梅雄
質問
毎年花壇にチューリップを植えて楽しんでいます。花が咲くころには凛とした姿を見せるのですが、株元は葉が重なり合って重そうな感じです。春らしく軽快ですっきりした花壇を作るにはどうしたら良いでしょうか。
回答
チューリップの花茎は直立しその上に花が乗っている姿はとても整然としていますが、葉は無秩序な方向に出て重なったり離れたりしています。このような花壇を良く見かけませんか。
今月は整然とすっきりした花壇に仕上げるポイントについて説明します。
1 植え付けの工夫
球根の向きを決めて植えるのがポイントです。球根は上からから見ればローマ字のDのように円弧と平らな部分からなるので、どちらかに決めて植えると良いでしょう。
プランターの側面に対して、球根の平らな面が平行になるように植えた場合、葉の展開方向には3パターンがあります(図)。
2 品種
2013年から2016年にわたり22品種について葉の展開方向を調べた結果、平らな面に対し概ね40%の品種が直角に、30%が斜め、10%が平行、20%が2種方向に展開しました(表)。
すべての品種が同一方向に展開するとは限りませんでしたが、品種単位では同一方向に展開する傾向でした(写真)。ただし、品種によっては2種類の方向へ展開するものもありました。例えば、「キャンディプリンス」では植付けた球根の80%が直角、20%が斜めに展開しました。
3 注意点
(1) 開花後据え置いた場合、葉の展開方向は1年目とは違う方向に向くこともあります。
(2) 葉の展開方向は予測できませんので、品種ごとに栽培データを蓄積しておき花壇設計の参考にしましょう。
▼表 品種別葉の展開方向 |
▲写真 植付け方向を揃えた時の葉の展開方向 (注) 紫色:パープルプリンス ピンク:キャンディプリンス 黄色:サニープリンス |