
ハナミズキの管理 ~せん定~
[2021.01.01]
●営農技術指導員 大澤梅雄●
質問
我が家のシンボルツリーとしてハナミズキを考えています。庭に植える際に気を付けることはありますか。
回答
ハナミズキは北米原産のミズキ科ミズキ属の植物ですが、我が国に自生するヤマボウシと同じ仲間です。手入れが簡単なことから人気があります。
花の美しいミズキということから「ハナミズキ」という名がつきました。別名は「アメリカヤマボウシ」といいます。一部で使われるアメリカハナミズキという名は誤用です。
1 特徴
⦁ 落葉広葉樹で放任すると、樹高4~10mに達します。葉は対生し、花弁のように美しいものは総苞で7~9cmの紅色(白色)の4枚からなります。本来の花は中心部にある黄緑色の小花で、10数個つけます。秋には紅葉し、赤い実を付けます。
⦁ 庭植え用の品種は植えてから概ね3年経過すると4月下旬から5月上旬にかけて開花しますが、花のもとである花芽は8月に今年伸びた短枝の先端に作られ、9月になると宝珠のような面白い形をした花芽が確認できます。長枝に花芽はつきません。
⦁ 樹形は自然に倒卵形か半円形ないしは円錐形にまとまり、せん定しなくてもさほど樹形は乱れません。
⦁ 花はキクのように上向きに咲くので、高いところに咲く花はその裏側を見ることになります。
2 栽培上の注意点
⦁ 植えつけは落葉が始まる11月頃から4月の桜が芽吹く頃に行います。
⦁ シンボルツリーには普通高木が選ばれるので、ハナミズキは適しています。赤やピンクに染まったハナミズキは、木の下でつい踊りたくなるような気分にさせてくれます。
しかし、枝は横によく伸長していくので十分空間を確保してください。近接したところにはハナミズキと同じような樹高になる木を植えないようにします。植えるならバランス上サツキや玉ツゲなど、低木を植えるとよいでしょう。ただし、隣地との境界近くには植えないようにします。
また、花は上向きに咲くことから、ベランダから花を見下ろせるような場所に植えるのもよいかと思います。
⦁ 庭の規模や雰囲気によっては低木をシンボルツリーにすることもあるので、ハナミズキの樹高を2m程度に仕立てるのも面白いです。
⦁ せん定が必要な場合は樹形を整える程度とし、休眠期の11月下旬から3月中旬に行います(図)。切口にはトップジンMペーストを塗布してください。
⦁ うどん粉病にかかると美しい紅葉が見られなくなりますので注意してください。