
ヒマワリの管理 ~セルトレー栽培(1)~
[2020.05.01]
●営農技術指導員 大澤梅雄●
質問
かつて「太陽」という品種を栽培したことがありますが、前月の記事のように確かに背が高くなりました。茎が長くならないような栽培方法はありませんか。
回答
「太陽」や「黒竜」などは古い品種ですが、種の一粒単価が比較的安いので、今も人気のある品種です。しかし、これらの品種は花茎が長くなり露地栽培では強風による倒伏の心配があります。また、花が大きく、茎も太いことから今風の嗜好にあわなくなってきました。
そこで、作業の一部を改善して、しなやかで小さなヒマワリ作りに成功しましたのでご紹介します。
1 育苗の改善
⦁ 改善のねらいは、根域を制限することによって生育を抑制しようとすることです。根域を制限する資材としてセルトレーを選びました。
⦁ 育苗用トレーのセル数は、128、200、288穴などを状況に応じて使い分けます。
⦁ 定植適期になった苗をより大きなセルトレー(50あるいは72穴)に移植し、定植用トレーを作ります。(下の写真)
2 定植の改善
⦁ セルトレーを使った慣行の定植方法は、セルトレーから苗を取り出して植え床に植付けます。改善策ではセル苗をトレーから出さず、セルトレーをそのまま植え床に置くだけです。そして、セル内で根を伸長させた後、引き続き地面に伸長させることにしました。
3 栽培方法の名称
この栽培方法を「セルトレー栽培」と呼ぶことにします。(次月に続く)