ヒマワリの管理 ~セルトレー栽培(2)~
[2020.06.01]
●営農技術指導員 大澤梅雄●
質問 セルトレーを使った栽培方法は面白そうですが、具体的な流れについて教えてください。
回答
1 栽培
栽培工程を次のようにまとめてみました(図1)。
【育苗】
⦁ トレー準備:育苗用には128、200、あるいは288穴のセルトレーを、定植用には72穴か50穴を用意します。使い古しのものであれば水洗いしておきましょう。
⦁ 土の充填:専用の園芸用種まき培土をトレーに充填します。独自に種まき培土を調合する場合は、セルトレーが培土の重量に耐え得るようピートモス、パーライト、バーミキュライトなどの軽い資材を使うようにしましょう。もちろん資材は無菌であることが大切です。
⦁ 播種:一穴に一粒播種します。直ちにトレーの底面から給水させ、雨の当たらない場所で管理します。播種後4日位で発芽します。中には、子葉に種皮が付着したまま発芽してくることがありますが、これは覆土が浅く土の鎮圧が弱かったかもしれません。次回からは注意して覆土して下さい。
⦁ 移植:半月程で本葉2枚となりますので、育苗用トレーから72ないし50穴のセルトレーに概ね10cm間隔となるように移植します(図2)。
移植後は底面給水をしておきます。なお、同一サイズのセル苗移植(例えば128穴から128穴)はかえって作業がしづらいです。
⦁ 土の充填から移植までの作業は、椅子に座りながら机の上でできます。膝や腰の痛い人には好都合です。
【本ぽ】
⦁ 畝立て:土壌酸度矯正のための苦土石灰は施しますが、窒素分を含む畜糞堆肥や肥料は施さず畝立てを行います。畝幅はセルトレーの配列方法と通路幅に応じて決めてください。なお、栽培管理上しゃがみ姿勢が多いので、通路幅は広く50~60㎝とった方が良いです。
⦁ 植え床整地:セルトレーの底から根が床土の中に伸長できるよう、床面を平らに整地します。また、灌水した水が十分土壌に吸水されるよう畝の両端を高く盛り、堤を作ると良いでしょう(図3)。
⦁ 灌水:定植前に十分灌水しておきます。
⦁ 定植:移植が完了した定植用セルトレーを、植え床との間に隙間ができないよう置きます。定植はこれで終わりです。
⦁ その他の管理:①定植後の灌水は植え床とセルトレーの底がなじむよう軽く灌水し、以後1週間は毎日灌水します。苗は1週間で活着します。②病害虫や倒伏対策として、あるいは生育抑制のために適宜下葉をかきとります。③定植と同時にフラワーネットをセルトレーの真上に展張し、生育に応じて上げていきます。目合い20㎝のネットで2段張りとします。④明らかに肥料不足の場合は、IB化成をセルトレーの穴の中へ入れるが、尿素500倍液を灌注します。
2 収穫
すべての花弁(舌状花)が開いてから収穫します。