ヒマワリの管理 ~セルトレー栽培(3)~
[2020.07.01]
●営農技術指導員 大澤梅雄●
質問 セルトレー栽培のメリットについて教えてください。
回答 地面から花弁の先までの丈(花茎長)、花の大きさ(花径)、茎の太さ(茎径)などの品質を調べたところ、細くしなやかで、小ぶりなヒマワリに仕上がり、当初目指したとおりのヒマワリができました。
なお、副次的な効果として播種、移植作業などは、椅子に座って行うことができるので膝や腰への負担が少なく、ご年配の方にとって優しい技術であることがわかりました。
1 セルトレー栽培の効果
セルトレー栽培は2018年5月18日播種、6月2日に定植しました。使用したセルトレーは72と128穴、慣行栽培は地植えです。品種は「クラレット」、「サンリッチ混合」、「太陽」などです。
(1)花茎長
●セルトレー栽培は、40㎝ほど慣行栽培より短くなりました。セルトレーの72と128穴との間ではほとんど変わりませんでした。
●品種別では「太陽」がおよそ50㎝慣行より短く150㎝となり、「サンリッチ」は30㎝短く70㎝の花茎長となりました。「クラレット」は約20㎝短縮し125㎝の花茎長でした。
(2) 花径
●セルトレー栽培は、慣行より3㎝ほど小さくなりました。セルトレーの72と128穴との間ではほとんど変わりませんでした。
●品種別では「太陽」が慣行より4㎝ほど小さくなって9㎝、「サンリッチ」は3㎝小さく8㎝の花径となりました。「クラレット」は2㎝小さくなり10cmの花径でした。
(3)茎径
●セルトレー栽培は、測定位置に関わらず0.2~0.3㎝慣行より細くなりました。セルトレーの72と128穴との間ではほとんど変わりませんでした。
●品種別では「太陽」が0.5㎝慣行よりも細くなって0.7㎝、「サンリッチ」は0.3㎝細くなって0.4㎝の茎径となりました。「クラレット」は0.1㎝細くなり0.8cmの茎径でした。
2 まとめ
●セルトレー定植で根域を制限することにより、細くて小ぶりな花になり、花束の花材として使いやすくなりました。
●セルトレー栽培の効果は、品種を問わず発現することがわかりました。
●播種、移植作業は楽に、そして定植作業は迅速になり、負担を軽減しました。