マツの管理 ~剪定~
[2020.12.01]
質問
庭に植えられて30年程たったクロマツが一本あります。今年から親にかわり管理することになりましたが、現在葉がたくさんついて見苦しい状態です。正月を迎えるに当たり何をすればよろしいでしょうか
回答
マツの手入れ、特に剪定作業は難しいという印象がありますが、コツさえ押さえれば素人でも意外と簡単にできます。当然庭師の出来栄えに比べれば見劣りするでしょうが、自分で仕上げたマツの景色を眺めることによって充実した気分となるという請け合いです。
30年経過したマツですので樹形は完成しているものと思われます。求められるのはその形を維持していく剪定作業ですので難しいことはそぎ落とし、これだけを押さえておけば大丈夫というポイントのみを説明します。
1 剪定時期
最低限、冬(11~12月)と春(4~6月)の年2回行いましょう。
2 剪定方法
(1)冬
剪定すべきは、①垂れ下がった枝、②極端に二股に広がった枝、③上枝と重なった枝、④上に伸びすぎた枝、⑤同じ場所から2本伸びた枝、⑥ほかの枝に絡んだ枝、⑦一か所から多数出た枝のうち2本残した後の枝などです。
併せて、「もみあげ」あるいは「古葉もみ」と言われる作業を行います。「もみあげ」は手で枝先を持ち古い葉を上から下方に向かってむしり取るのです。全体の枝ぶりからみて、この枝はあまり伸ばしたくないと思えば、古い葉のみならず今年発生した新葉も少々取り除いてください(図)。
(2) 春
通称「みどり」あるいは「ろうそく」とよばれる新芽が伸長しますので、余分な新芽を取り除いたり摘まんだりします。この作業を「みどりつみ」といいます。いわば、草花栽培でいうところの摘心です。詳細については後日とします。
3 害虫防除
ケムシ(マツカレハ)が枝についていることがあるので捕殺するか千倍液のスミチオン乳剤あるいはトレボン乳剤などを散布します。
以上、12月に剪定を行い、すっきりとしたマツを見ながら新年を迎えてください。
参考図書
林 弥栄,「マツ」,園芸大百科事典8巻,講談社,昭和55年