松竹梅の管理 ~いわれ~
[2020.01.01]
●営農技術指導員 大澤梅雄●
質問
年末に松竹梅の盆栽を作って、直売所で販売しようと考えていますが、どんな材料が必要でしょうか。また、どんな意味・いわれがあるのでしょうか。教えてください。
回答
当地は植木の大産地である稲沢市に近接しているため、材料は簡単に入手することができます。松竹梅の盆栽を作って、是非直売所で販売してください。
松竹梅盆栽の寄せ植えは縁起物ですので、材料の一つ一つに意味があります。それを承知して作っていただければ一層縁起の良い松竹梅になると思います。
寄植え材料のいわれ
昭和50年頃、農業高校の先生に松竹梅盆栽の寄せ植えの実技と、寄せ植え材料のいわれを教えてもらいました。その時の資料を基に説明します。
なお、ネットで検索するとほぼ同様の内容を記したサイトがアップされていますので、ここで紹介するいわれは世間一般に知られているものだと思われます。
1 松
松は植木の王として、常に青々と枝も栄え、葉も繁るがごとく、一家の繁栄に波風もなくどこまでも栄えていることを表し、また、昔から謡にもうたわれているように、「その双葉は枯れて落ちても二人連れ!」長寿と夫婦円満を表しています。
2 竹
竹はどんな風雪にも逆らわず、たとえ先端が地についても折れもせず、また、元の姿に戻る筋の通ったものです。世の中のいかなる悪環境に直面しても、それに逆らわず、節度を保つ節を持ち、悪に染まらず忍耐強く必ず元の立派な姿に立ちもどります。
3 梅
人生を四季に例えるならば、まさに重き荷を負うて遠き道を行くがごとく、極寒の吹雪にも負けず、新春とともに香気高い花を着ける梅こそ青年の姿を象徴するものです。七難八苦に耐え忍んでこそ、楽しく明るい家庭を築けることを表しています。
4 福寿草
福寿草は特殊な咲き方をし、親から子へ、子から孫へというように、次から次へと咲き続けるものです。その姿こそ子を思う親心の象徴です。福寿草は新春を寿ぐ一陽来復の花です。
5 南天
南天は、見事な紅葉を見せる葉が、慶祝事のたびごとに赤飯の添え物として昔から使用されています。これはすべて毒消しであり、すなわち、厄除けの意味を持っており、一家安泰を願うものです。
6 千両、万両
日陰に生まれ、逆境に育っても勤勉と努力は、やがて来る我が世の内に報いられ、真っ赤な実を受け、人の目を楽しませてくれます。金に不自由しないためには千両に見習えとか、いかに大金があろうと派手に飾らぬ奥ゆかしさこそ万両の姿であるといわれています。
7 白石、岩
白石は海を、岩は山を象徴しています。
8 苔
苔は以上の根〆として亀と鶴を添え、長寿を祝い、千代に八千代に苔のむすまでを表しています。華道においては、床の間へ土のついたものを置くことは許されていないが、松竹梅だけは良いとされています。