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6月の果樹だより

[2017.06.01]

●杉山文一営農技術指導員

夏果実類の収穫前の管理と収穫時期の注意点

1 夏果実類(硬核類とブドウ)の収穫前の管理

(1)袋・傘かけ
 高品質果実生産を目的にモモ・ブドウは袋かけを、スモモは傘かけをします。
 袋かけの効果は、①裂果や裂皮を防止し、果実の外観を綺麗にする効果があります。②着色を良くし、鮮やかな色に仕上げます。③果実への病害虫の加害を軽減し、減農薬栽培となります。
 傘かけは、雨水を防ぐため裂果の防止し綺麗な外観となります。
 時期や種類は、表1を参考にして行ってください。

表1

(2)新梢管理
 新梢管理の方法は、捻枝(図1)と摘芯(図2)があります。
 捻枝は、新梢を曲げて、新梢の勢力を弱めながら側枝や結果部位及び葉面積の確保を図ります。
 摘芯は、新梢の先端部を手で摘んで除去し、伸長を抑制させ、葉面積の確保を図ります。

図1・図2

〔ア〕 6月になると、モモ、スモモ、ウメ、ブドウは、果実が肥大するにしたがい新梢の伸長が旺盛になり、樹冠内部が過繁茂となります。樹間内部が暗くなると、①果実の着色不良、②果実糖度の低下、③農薬散布効率と効果の低下、④樹形の乱れを招きます。

〔イ〕 新梢管理の目的は、①光合成能力を高めて長く維持し、果実品質を良くするために樹冠内部まで光を当てます。また、②樹形を維持するために、徒長枝などを除いて樹形の乱れを防止します。

〔ウ〕 新梢が徒長枝となって強く伸びる障害とて、①樹間内を暗くして果実品質を悪くします。また②樹形を乱して良い果実がでません。

〔エ〕 摘芯は5月中下旬に実施しますが、芽かきをしないで伸ばしたい新梢で過繁茂の部分に行います。新梢の先端を手で2~3枚程度摘みます。また、基部から20cmのところで先端をカットし伸長を抑制させ、副梢を発生させて結果枝の確保を図ります。

〔オ〕 稔枝は時期が遅くなると、新梢が木質化して作業がしにくくなるため5月下旬~6月上旬までにおこなってください。方法は、稔枝部分(新梢基部)を手で稔り曲げるようにして伸長を抑えます。捻枝は、新梢の勢力を弱めながら側枝や結果枝の確保を図りますが、稔枝した枝は、翌年の結果枝とし て利用できます。
(*主枝・亜主枝の上面や背面、長果枝の基部、切り口から発生した不要な徒長枝や新梢は、基から切除します。時期は早い方が良く、4月中下旬の3~4枚展葉した頃におこなってください。)

(3)夏期せん定
 新梢が徒長枝となって強く伸びると、樹間内を暗くし、樹形を乱し、綺麗で美味しい果実ができません。図3のように基部を中心に徒長枝の切除を、モモ・スモモでは収穫前(6月上中旬)に、ウメは収穫後(7月上中旬)におこないます。6月上中旬に、芽かきをしないで伸ばした強い新梢で、樹勢を乱す恐れのある新梢は、4分の1~3分の1をハサミで切除して伸びを抑えます。樹幹内部や、上部の枝を中心に実施してください。
 新梢が徒長枝となって強く伸びると、樹間内を暗くして樹形を乱し、大玉で高品質果実が生産できません。
 図3のように基部を中心に徒長枝を20cm程度残して切除します。モモ・スモモでは収穫前(6月上中旬)に、ウメは収穫後(7月上中旬)におこないます。

図3

(4)受光条件を改善する支柱立てや枝のつり上
 収穫前のモモやスモモは、支柱立てや枝をつり上げて、樹間内部へ光が入るように受光態勢の改善が必要です。
 果実の重さで枝の先端が垂れ下がると、果実に光が当たらなくなり、重さや強風によって枝が折れたり、避ける危険性があります。モモやスモモ等の硬核類は着色期までに支柱で支えたり、帆柱でつり上げて枝の下垂を防いでください。

2 収穫時期の注意点

 6月中旬から9月下旬は夏期に収穫するウメ・モモ・スモモ・ブドウの収穫時となります。収穫時期については、次ぎに示しますので、参考としてください。また、各作目の収穫時期の目安と注意点は表2を参考としてください。 夏季に収穫するウメ・モモ・スモモ・ブドウの収穫は、気温が高く、雨の日が続くため、果実が腐りやすい時期です。各作目の収穫時期の目安は表2を参考にしてください。
 収穫した果実を、気温や湿度の高い所に置いておくと、品質低下や腐りが多くなります。収穫後、速やかに風通しのよい、涼しいところに置いてください。

表2

(1)ウメ
 5月下旬~6月下旬にかけてはウメの収穫時期ですが、加工用途別に収穫します。
①収穫時期の最も早い小梅類の「甲州最小」「竜峡小梅」「信濃小梅」は、5月中下旬に収穫します。
②「白加賀」「玉英」「鶯宿」「古城」「露茜」の梅酒やジュースに加工される青ウメ用果実の収穫適期は、6月上中旬で、果実表面の毛じが薄くなり、果実の表面に光沢が発生する時期で、少し硬めで収穫します。
③「南高」「梅郷」「長束」の梅干しに加工される漬けウメ用果実は、青ウメ用果実の収穫時期より遅く、6月中下旬頃が収穫適期となります。果色は緑色からやや緑色が退色する時期で果実に弾力が出た頃が漬けウメの収穫適期です。

*「白加賀」も漬けウメ用の場合は、「南高」と同じ熟度で収穫してください。

(2)モモ
 ①6月中旬になると、早生種のちよひめとはなよめの収穫時期となり、続いて②日川白鳳(6月下旬)・③みさか白鳳(7月上旬)・④白鳳(7月中旬)の順で収穫適期となります。
 収穫は果実の着色と熟度を見ながら行います。果梗周辺の地色が抜けて黄緑色になり、十分に着色して果肉が全体に弾力が出た頃に収穫しますが、少し柔らかくなった頃が美味しくなります。なお、着色しやすい品種や着色が先行している場合は、着色にとらわれると未熟果を収穫することになります。

*モモは、日持ちがよくないので扱いに注意してください。収穫は、朝の涼しい時におこない、風通しの良い涼しいところで選別します。

(3)スモモ
 スモモは、着色の程度や地色が退色して赤味が増してきたら、収穫してください。食味は樹上で完熟させるのが最もよいが、軟化すると日持ちがわるくなるので少し早く収穫してください。
 ①6月下旬になると、大石早生から収穫時期となります。品種ごとの収穫の目安は、②ハニーローザが6月下旬、③ビューティが7月上旬、④サンタローザが7月中旬、⑤貴陽が7月下旬、⑥ソルダムが8月上旬となります。

(4)ブドウ
①7月下旬になるとデラウエアから収穫が始まります。
②黒色系(巨峰・藤稔・ブラックオリンピア等)品種は、8月中下旬に房全体の果皮色が紫黒色に着色したときが収穫時期です。
③赤色系(安芸クイーン・ゴルビー・サニールージュ等)品種は8月上中旬に着色が始まりますが、収穫は果皮色が赤く着色して赤味が増したころにおこないます。
④緑色系(ロザリオビアンコ・シャインマスカット・多摩ゆたか等)品種は8月中旬ごろに収穫が始まる、房全体の果皮色が黄緑色になり、甘味(糖度18以上)が強く感じる頃が収穫時期です。
<黒色系や赤色系品種は、着房数が多かったり、気温が高いと着色しません。果粒が弾力なく柔らかくなると脱粒しやすくなりますので、その前に収獲してください。>

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