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秋ギクの管理 ~親株の摘心~

[2016.04.01]

●営農技術指導員 大澤梅雄

質問
 キクは収穫後据え置いたまま育てて3年経ちますが、花は小さくなり、下葉は枯れ上がって品質の劣化は否めません。株を更新すると良いと聞きましたが、具体的にはどのようにするのでしょうか。

回答
 据え置いたまま栽培するよりも、株を更新した方が確かにキクは若返り品質が向上します。手間はかかりますが挿し芽苗を作り、株を更新して下さい。
 今月は挿し芽をする前の準備段階として、親株の管理について説明します。

1 親株の摘心
 春の彼岸を過ぎると「うど芽(冬至芽)」が伸びてきますので、まず、摘心(頂芽を切除)して下さい(図)。
 なぜ摘心するのかと言いますと、発根しやすい形質の挿し穂をより多く確保するためです。地面から出てくる太くてごつい感じのうど芽は、かえって挿し芽の成功率が悪いのです。

2 親株の摘心時期
 摘心は挿芽予定日の1か月前に行ないます。1か月経つと、しなやかでちょうど良い長さの穂になります。
 5月15日に挿し芽をする予定であれば、4月15日に摘心します。6~7月に挿し芽する場合は、側枝の伸長状況を見ながら摘心を2~3回行います(図)。摘心する際には必ず2~3節残して下さい。

図 うど芽の摘芯と側枝の発生状況

3 施肥
 月1回、NPKを成分量でおよそ3g/m2施します。肥料不足になりますと、茎は木のように固くなり、挿し穂には向きませんので注意して下さい。

4 害虫防除
 4月頃からキクスイカミキリの成虫が飛来し、茎に卵を産み付けていきます。ある日突然、茎の先端がしおれて垂れることがあります。これがキクスイカミキリ幼虫の被害です。キクスイカミキリに適用のある農薬はありませんが、スミチオン乳剤1,000倍、オルトラン水和剤1,000倍などでアブラムシ等との同時防除で対処します。1回の散布ではなかなか防除できませんので定期的に散布して下さい。

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