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1月の果樹だより

[2017.01.01]

●杉山文一営農技術指導員

<家庭果樹におけるブドウ栽培のポイント>

1 特 徴
①結果母枝性であり、翌年に果実を着ける結果枝を出だします。
②花芽の着生は良好ですが、花芽の形成は当年の新梢の生長に伴って形成される。
③新梢伸長程度の差異が大きい。
④主幹に近い基部の枝が強くなりやすいため、負け枝が発生しやすい。
⑤結実樹齢が早い。

2 主要品種の特性
 色々な品種がグリーンセンターやホームセンターで販売されています。表1を参考にして選んでください。

表1

3 整枝せん定
 新梢(結果母枝)を長く切り返す長梢せん定と短く切り返す短梢せん定があります。家庭果樹では、長梢せん定が一般的です。長梢せん定について説明しますが、ジベレリン処理して種なし栽培をするには、短梢せん定が適しています。

(ア)せん定時期
 落葉すれば始められるが温暖な冬だと2月下旬には樹液が動き出します。3月に枝を切ると、樹液が出るので、2月中旬までには行ってください。

(イ)整枝について
①樹を全体にゆったりと配置し、新梢を長く切り返す長梢せん定と主枝を左右に2本配置し、主枝から新梢を2芽で切る短梢せん定があります。ジベレリン処理して無核化を図る場合は短梢せん定をおこないますが、有核栽培では長く新梢を切り返す長梢せん定が一般的です。家庭果樹では、長梢せん定の方が良いかと思います。
②長梢せん定仕立て(X字形整枝)は、4本の主枝をX字形に伸ばす整枝法で、完成時には図1のように、樹を全体にゆったりと配置することが必要です。
③ブドウの整枝法は、棚仕立てが基本です。枝は重ならないように広げて配置し、主枝の先端は、外側に広げます。家庭果樹では、狭いところで栽培しているため、全体に枝が重なって混んでいます。図1のように、樹を全体にゆったりと棚全体に配置してください。
④枝は重ならないようにゆったりと広げて配置し、主枝を棚の四方に伸ばします。また、重なり枝は間引きます。
⑤主枝は長く伸ばし、亜主枝として横枝を広げて、果房を着ける部分の側枝・結果母枝をつくります。
⑥短梢せん定仕立て(平行形整枝)は、主枝を平行に配列し、各主枝に短い結果母枝(2節)を20cmくらいの間隔で左右に配置する方法です。

(ウ)せん定について
①側枝のせん定は、良い新梢のところで切り返し、大きくならないようにします。
②側枝のせん定は、先端部分の長い新梢は3分の2程度に、その他の新梢を8芽程度に短く切り返します。また、側枝が長くなったら、充実した結果母枝の出ているところで切り返します。
③ブドウが成木になり、枝が棚面一杯になったら切り返して先端部分を更新します。枝はゆったりと広げ、主枝を棚の四方に伸ばしてください。
④若木では、将来的には切除すべき枝でも、1~2年の利用を前提に、追い出し枝や返し枝として利用します。
⑤短梢せん定の場合は、結果母枝を2芽の上の芽のところで均一に切除します。
⑥短梢せん定で結果母枝が欠けたら、今年出た新梢を主枝と並行になるよう誘引すると発芽揃いも良くなり、次年度からの結果母枝が確保できます。 ⑦せん定量は、30から35%程度までにしてください。50%以上のせん定量は強すぎて、強い新梢が発生します。

4 新梢管理
①新梢を揃えると、良い果房が作れます。巨峰群は、結果母枝の先端2芽が強く伸びる性質があり展葉が揃いません。そのため、春先に展葉を揃える枝管理が重要となります。
②切除部分を半部以上に短くせん定し、先端2芽から伸びた枝を利用する方法と、結果母枝の切除部分が四分の1程度の長めに切って先端の展葉した新葉をかき取るか芽傷をつけて萌芽を揃える方法とがあります。
③結果母枝の先端部分の芽をかき取って展葉を揃える方法は、萌芽期から先端部分の芽をかき取って新葉の伸びを揃えます。
④芽傷をつけて萌芽を揃える方法は、長大な結果母枝の方が効果が高い。方法は、芽傷バサミで芽の先5mmくらいの所に木質部に達する傷をつけます。時期は、2月下旬から3月上旬頃です。

5 大粒系ブドウの花穂整形と房つくり

ア 花穂整形
 1粒を大きくして形の良い房をつくるには、図2の様な花穂整形を行います。ジベレリン処理しない大粒系ブドウ(巨峰群)は、開花前に副穂と主穂上部の枝穂3分の2程度と、穂尻を1cm程度切除します。ジベレリン処理する大粒系ブドウ(巨峰群)は、基本的にはジベレリン処理しないのと同じですが、尻を摘まず3~3.5cm残します。

イ 房つくり(摘粒)と着房基準
 美味しくて、大きい果粒をつくるには、摘粒をして着粒数を減らすことが重要です。果粒が多いと養分競合をして、大きな果粒になりません。そのため、図3のように着粒数を制限します。
 1房の粒数は、35から40粒程度にすると粒の大きい房が作れます。デラウエア、マスカットベーリーA、サニールージュ等の小・中粒系ブドウは摘粒しません。
 着房数は、1㎡3~4房程度にします。摘房時点の新梢は重ならないように誘引して着房数を決めますが、着房基準は表4を参考として下さい。

6 ブドウのジベレリン処理のポイント
 花穂をジベレリン処理すると、無種子果房をつくることができます。また、欧州系の無種子品種では、果粒肥大が図れます。そして、有種子果房よりも食べやすくなり、熟期が早まります。種子を無くし果実肥大を促進させるためには、2回ジベレリン処理をおこないますが、品種によっては、果実肥大を目的に1回だけジベレリン処理をします。
 種無し果房をつくるには、花穂整形(図2)してジベレリン浸漬処理します。
 ジベレリン処理の目的や処理時期・濃度・方法は、表2のブドウのジベレリン処理の目的と方法によっておこなってください。

図1・2・3

表2

 また、ジベレリン処理の方法の方法は、プラスチック容器にジベレリン溶液を入れて、これに花穂を浸漬します。ジベレンの調整法については、表3を参考としてください。
 注意点として、樹勢の弱い樹では有核粒が混入するので樹勢維持に努めます。また、処理後8時間以内に降雨があった場合は、再処理します。

7 袋・傘かけ
 果実や果房の外観を綺麗にし、病害虫被害を低減することを目的に、袋や傘かけをおこないます。袋かけの効果は、①果実の外観を綺麗にし、着色を良くする。②果実への病害虫の加害を軽減し減農薬となります。また、③果皮の裂果を抑制することで外観を向上させる効果もあります。傘かけは、雨水を防ぐので裂果の防止となります。時期や種類は、表5を参考にして行ってください。

表3・4・5

8 施肥
 樹の広がりによって施肥量は違いますが、家庭果樹における枝の広がりを考えると、基肥として11月に有機配合肥料を20kg程度、収穫後の9月に礼肥として化成肥料を5kg程度施用し、土壌と混和します。施肥量が多すぎる新梢が繁茂し、品質に影響しますので、家庭果樹の場合は追肥はやめてください。また、比較的狭い所で栽培している例が多くみられますが、土壌が硬いと根張りが悪く天候の影響を受けやすいため、管理機で除草や中耕を行って、土壌を軟らかくして下さい。

9 病害虫防除
 家庭果樹の場合は、無農薬で栽培したいと思う方が多いと思います。しかし、ブドウは、日本で栽培すると湿度が高いため多くの病害が発生します。病害は、6月に葉や花穂カビが生えて枯らすベと病が発生します。降雨前に一度は効果のある薬剤を散布することが必要です。また、葉・枝・果房に黒い斑点ができる黒とう病が発生しますと、難病害で一つで、発生するといつまでも発生します。4月から5月の防除が重要です。収獲期に果房が腐る晩腐病は、5月から6月に防除します。害虫は、果房を加害して果粒や軸を変色させるスリップス類があります。5月から6月の防除が必要です。その他、色々な病害虫による加害が発生します。農協で作成している防除こよみを参考に薬剤を選択して降雨前散布に努めてください。

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