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4月の果樹だより

[2016.04.01]

●杉山文一営農技術指導員

落葉果樹の結実安定と新梢管理

1 落葉果樹の結実安定

① リンゴ、スモモ、オウトウ、ナシは自家結実性が低いので、他品種の花粉が必要です。だが、交配できない品種がある。表1・2・3・4のように、交配できる品種で授粉をおこないます。
 開花期が品種によって違うので、開花の早い品種ごとに受粉樹として利用します。しかし、ナシは、新高が開花が一番早いので貯蔵花粉を使用しますが、花粉が無いので花粉親にはなりません。

表1・2・3

② モモは花粉ある品種が多く、強い摘蕾をおこなわない限り人工授粉をする必要は無い。しかし、花粉が無い品種は人工授粉が必要である。花粉の無い代表的な品種は浅間白桃、川中島白桃、夢しづく、阿部白桃、一宮白桃、白桃等がある。今はあまり栽培されていない品種で、倉方早生は花粉が無いので人工授粉が必要である。

③ カキは、受粉しなくて種子の入らない単為結実性が高いが、種子が無いと生理落果が多くなり結実が不安定となる。甘カキは、雌花だけ(富有・次郎・早秋・伊豆)か雄花は着くが雌花が多いと雄花が少ない品種(太秋、西村早生)は、雄花の多い渋柿を植える必要がある。品種は、禅寺丸・赤柿・サエフジがある。

④ ウメは他家授粉の品種が多く、表5の様に自家結実性が低いか花粉が無いか少ないかである。2品種植えることが必要であり、授粉用としては、小梅類が花粉が多くて良いが開花が大梅よりやや早い。授粉用としては、経済性は低いが長束が多く使用されている。小梅類と長束は、自家結実が高い。

表4・5

⑤ クリは、自家結実性が低く、他品種の花粉が必要です。表6の受粉樹の組み合わせを参考に、受粉樹を決めて植栽してください。ぼろたんは、渋皮が剥けやすい品種です。収穫期が違う品種を、受粉樹に選んでください。

⑥ キウイフルーツは雌花と雄花が別々の樹であり、雌樹は果実を付けますが、雄樹は果実を付けません。系統によって熟期が違います。開花期は、果肉の色が黄色の品種が早くて緑色の品種は遅い。開花期が違いますので、表7を参考に選んでください。

表6・7

⑦ ブルーベリーは1品種だと結実が良くありません。そのため、2品種植える必要があります。しかし、同じ系統での品種が必要であり、ハイブッシュブルーベリー系、ラビットアイブルーベリー系、ローブッシュ系別に2品種を選んで植えてください。授粉方法は、昆虫が媒介します。

2 人工授粉の方法

 受粉樹を混植しておくと結実がよくなりますが、家庭果樹のように数本しか植えていない場合や摘蕾をした場合は授粉をすると結実が良くなります。 授粉は、①花を取って開葯し、花粉を採取して綿棒に付けて行なうか、②直接花と花を付けて行ないます。
 花粉を採取する花の状態は、風船状から開花直後の花粉の飛んでいない状態の花を使います。
 葯を多く採取するには、開花前の花を採取機にかけて葯を採取し、開葯器に入れて、室内状態が温度が20から25℃で湿度が65から80%で開葯させます。しかし、家庭で少量採取するには、葯を取ってハトロン紙か新聞紙に広げ、直射日光に当てずに20から25℃程度のところに1日置いて開葯させ、葯を採取します。採取した花粉は、通気性のある紙袋に入れて、乾燥剤の入った茶筒に入れ、使用するまで冷蔵庫で保存します。花粉を多く使用する場合は、石松子を使用し3から4倍に増量します。
 温度が高く、湿気が多いと良い花粉が採取できないので注意して下さい。

3 つる性で棚仕立てのブドウ・キウイフルーツ誘引

 ブドウ・キウイフルーツは、新梢が伸びたときに棚下に光が均一に差し込むようにするため枝が重ならないよう、主枝以外の枝の先端部を基部の方へ曲げ、広げて誘引する。また、結果母枝は、棚上に均一になるように配置します。
 ブドウやキウイフルーツは、結果母枝の先端部分の新梢が強く伸びる性質があります。また、結果母枝が充実していないと萌芽のムラが生じます。結果枝の伸びを揃えるため、展葉直後に展葉の早い部分を展葉直後にかき取り、新梢(結果枝)の伸びを揃えます。図1のように、結果母枝の先端部分は強く伸びるので早目に除去すると新梢が揃います。

4 太枝から発生する新梢の芽かき

 立木仕立てのカキ・モモ・リンゴ等は、太い枝を切除したり切り返すと、切り口や亜主枝・側枝の背面から強い新梢が発生します。強い新梢は樹形を乱すので、特に切り口から発生している数本の強い新梢を、展葉直後か早めにかき取ります。また、図2のように新葉が数枚展葉したら、側枝になる強い新梢を残して後は早めに除去すると樹形が乱れません。

5 立ち木仕立の誘引

 リンゴのわい化栽培やカキ・モモ・スモモ等の立ち木仕立ては、樹形を整えて、主枝・亜主枝・側枝の確立を図ります。主幹形仕立ての場合は主幹を立て、新梢を番線や添え木をして横にして誘引します。
 立ち木の幼木は、図3の方法で、早めに誘引して、主枝・亜主枝の確立を図ります。そして、第1主枝は立てて強く伸ばし、第2主枝は誘引して第1主枝より勢力を弱めます。

図1・2・3

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