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6月の果樹だより

[2020.06.01]

●杉山文一営農技術指導員●

落葉果樹類(カキ・リンゴ・ナシ・ブドウ・キウイフルーツ)の着果制限と

新梢管理及び硬核類(ウメ・モモ・スモモ)の収穫について

1 落葉果樹類(カキ・リンゴ・ナシ・ブドウ・キウイフルーツ)の摘果(摘房)

摘果の目的は、美味しく大きい果実をつくることです。摘果により着果数を減らすことが重要となります。
摘果の効果は、①隔年結果の防止(花芽分化の促進)、②果実肥大の促進、③果実品質の向上、④省力化と作業効率の向上が期待されます。
果実が着きすぎると、葉の光合成産物が多くても1果当たりの配分量がすくなくなり、肥大が悪くなってしまいます。摘果をし、適正な着果量を。
毎年大玉で品質の良い果実を収穫するには、摘果をして着果制限します。
摘果する果実は、小玉果・変形果・障害果・病害虫被害果です。そして、縦長で大きくて綺麗な果実を残すようにします。

(1)カキ
① 摘果は品種によって多少の違いはありますが、富有が基本であり、図1の様に摘果します
② 遅く着果制限をすると富有系品種はヘタスキ果が発生し、品質が低下します。7月中には、着果制限をしてください。
③ 早秋の仕上げ摘果時期は、生理落下後の7月下旬頃で結果母枝1本当たり2果残す。突起やスジのある奇形果が多いので注意してください。
④ 太秋の仕上げ摘果時期は、7月上旬頃で20cm以上の強い結果枝に1果とする。摘果を早くから行うと大きくなりすぎて、汚損果や果頂裂果が発生しやすい。

(2)リンゴ
日当たりが良く、形の良い果実を残します。残す果実は、果そう葉が多く中短果枝の頂芽、果柄が長くて太い果実です。
着果基準は、表2を参考にしてください。

(3)ナシ
ナシは、果梗が太く長い3~4番果を残します。表3を参考にしてください。

(4)ブドウ
ブドウの大粒(巨峰系)品種は、摘房をしてから果房の粒数を制限(摘粒)して収量制限をします。また、小粒(デラウエア)品種は、ジベレリン処理前に摘穂して着房制限します。
ア 大粒系品種(巨峰・藤稔)
① 摘房(摘穂)時期は、種なしの場合はジベレリン処理する前に、種ありの場合は、摘粒前の摘粒状況が決定した6月上旬です。
② 摘房する果房は新梢の基部と先の方についている房・小房・花振るいした房です(図2)。
③ 大粒(巨峰系)品種は、摘房をしてから果房の粒数を制限(摘粒)して収量制限をします。
④ 新梢は、重ならない様に誘引します。

* 着房程度:新梢(重ならない)の長さをプラスして100cm程度に1房(36粒:400g)で基部に近い5枚程度のところ
イ 小粒系品種(デラウエア)
① 新梢は、重ならない様に誘引します。
② 摘房する果房は新梢の基部と先の方に着いている房・小房・花振るいした房です。
③ 小粒(デラウエア)品種は、ジベレリン処理前に摘穂して着房制限します。

* 着房程度:新梢(重ならない)の長さが120cm程度で2房(1房:120~150g)で基部に近い5から6枚程度のところ

(5)キウイフルーツ
摘果は品種によって多少の違いはありますが、ヘイワードが基本であり図4の様に大きくて形の良い果実を残します。
① 摘果時期は果実の形が確認できる6月中下旬までにおこないます。 
③ 1つの葉えきから3つの花を生じるので、真ん中の1つを残す。
④ 新梢は重ならないように誘引します。
⑤ レインボーレットは、6月中旬に1結果枝当たり3果以内に残します。

*残す果実:基部から3~5葉のところで葉5枚に1果程度の割合

2 新梢管理の方法
目的は、①光合成能力を高めて長く維持し、果実品質を良くするために樹間内部まで光を当てること。また、②樹形を維持するため、徒長枝などを除いて樹形の乱れを防止しすることです。
新梢が徒長枝となって強く伸びる障害として、①樹間内を暗くして果実品質の低下や生理障害の発生が原因となります。そして②樹形を乱し、良品果実の安定生産が保たれなくなります。

(1)芽かき
時期が早い方が良く、種類にもよりますが4月下旬~5月中旬頃の5枚程度展葉した頃までにおこないます。主枝・亜主枝の上面や背面、長果枝の基部、切り口から発生した不要な徒長枝や新梢を基部から切除します。

(2)稔 枝
時期が遅くなると新梢が木質化して作業が難しくなるため、種類にもよりますが5月上中旬頃にはおこなってください。方法は、稔枝部分(新梢基部)を手で稔り曲げるようにして伸長を抑えます。
捻枝は、新梢の勢力を弱めながら側枝や結果枝の確保を図りますが、稔枝した枝は、翌年の結果枝として利用できます。
捻枝は、新梢を曲げて、勢力を弱め、側枝や結果部位を作ります。

(3)摘 芯
種類にもよりますが、5月中下旬頃に実施します。芽かきをしないで伸ばした新梢で、徒長的に伸びて過繁茂した部分に行います。新梢の先端を手で2~3枚程度摘み取ります。
摘芯は、新梢の先端部を切除し、伸長を抑制させて、過繁茂を防ぎます。

(4)夏季せん定
過繁茂や収穫前の強い新梢を、基部を中心に切除して樹間内部や果実に光を当て、果実品質の向上と樹勢の調整を図ることを目的とします。
6月になると、モモ、スモモ、ウメ、ブドウ、キウイフルーツは、果実が肥大するにしたがい新梢の伸長が旺盛になり、樹間内部が過繁茂となります。樹間内部が暗くなると、①果実の着色不良、②果実糖度の低下、③農薬散布効率と効果の低下、④樹形の乱れを招きます。そのため、新梢管理が重要となります。
新梢が徒長枝となって強く伸びると、樹間内を暗くし、樹形を乱し、綺麗で美味しい果実ができません。
図6のように基部を中心に徒長枝の切除を、モモ・スモモでは収穫前(6月上中旬)に、ウメは収穫後(7月上中旬)におこないます。芽かきをしないで伸ばした強い新梢で、樹勢を乱す恐れのある基部の新梢を、20cmのところで先端部分をカットして伸びを抑えます。樹間内部や基部の新梢を中心に実施してください。
新梢が徒長枝となって強く伸びると、樹間内を暗くして樹形を乱し、大玉で美味しい高品質果実の生産でが難しくなります。また、副梢を発生させて結果枝の確保を図ります。

(5)受光条件を改善する支柱立てや枝のつり上げ
収穫前のモモやスモモは、果実の重みで枝がしなります。支柱立てや枝をつり上げるなどの、樹間内部へ光が入るようにする受光態勢の改善が必要です。
果実の重さで枝の先端が垂れ下がると、果実に光が当たらなくなり、重さや強風によって枝が折れたり、避ける危険性があります。モモやスモモ等の硬核類は着色期の6月上中旬までに支柱で支えたり、帆柱でつり上げて枝の下垂を防いでください。そして、樹間内部まで光が入るように整枝してください。

2 硬核類(モモ・スモモ・ウメ)の収穫適期
5月中旬から、夏季に収穫するウメ・モモ・スモモの収穫時期となります。
夏季に収穫するウメ・モモ・スモモの収穫は、気温が高く雨の日が続く時期のため、樹上に生っている収穫前の果実や収穫後の果実が腐りやすく、腐敗病が発生しやすい時期です。
また、収穫が早いと品質が良くありません。各品種の収穫時期の目安は表3を参考にしてください。
収穫は、早朝の涼しい時におこないます。日中の汗ばむ時間におこなうと、品質低下の原因になりますので避けてください。
収穫した果実を、気温や湿度の高い所に置いておくと、品質低下や腐敗果が多くなります。収穫後は、速やかに風通しがよく涼しいところで保管してください。

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