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8月の果樹だより

[2016.08.01]

●杉山文一営農技術指導員

<家庭果樹栽培でのモモ栽培のポイント>

 モモは夏の果物を代表する夏果実です。暑さがつづき、成熟したみずみずしいモモは水分を多く爽やかさを感じます。近年、家庭果樹でモモ栽培をしている場合が多くあります。家庭で栽培する場合のポイントをまとめましたので、参考としてください。

モモ

1 モモ栽培の条件
 モモは、栽培環境に大きく左右されます。表1に、栽培の条件をまとめました。苗木を植える時の参考にしてください。

2 モモの生育状況と年間作業
白鳳を基準に図1にまとめましたので、参考にしてください。

図1

3 主要品種の特性
 モモは、多くの品種が栽培されています。栽培品種は、果皮が白い白桃系と赤い白鳳系があります。白桃系は、西日本の岡山県を中心に、白鳳系は東日本の山梨県、長野県で栽培されています。白桃系は、袋かけが必要で家庭果樹では比較的栽培しにくい品種が多いですが、白鳳系は、無袋栽培が可能で栽培がしやすい品種が多くあります。また、果肉が黄色モモ品種もあります。
 家庭果樹に向くと思われる品種の特性を表2にまとめましたので、参考としてください。

4 栽培管理のポイント
(1)開花・結実の管理
 近年栽培している主要な品種は、花粉がある品種が多くあります。表3にまとめましたが、花粉のない品種は人工授粉が必要です。
 花粉の取り方は、開花直前の風船状の蕾から葯を採取し、温度が25℃程度で湿度が50%ぐらいのところで開葯させて花粉を採取します。採取した花粉を花粉のない品種に綿棒を使って一花づつつけます。
 また、大きな果実をつくるには、開花前に蕾を減らす摘蕾作業をします。摘蕾は、結果枝の上の部分と基部の部分と先端部分の蕾を指先でしごき落とします。摘蕾は、不要な蕾を摘み取ることにより、貯蔵養分の浪費を防ぎ果実の初期肥大を良好にします。

(2)着果管理
 大きな美味し果実をつくるには、摘果をして着果数を制限します。予備摘果と仕上げ摘果の2回おこないます。
 予備摘果は、受精果と不受精果が区別できる満開20日頃こら始めます。上向き果、結果枝基部の幼果、傷果を摘果します。残す幼果は、最終着果量の2~3倍程度です。
 仕上げ摘果は、満開後50日頃から始めます。最終着果基準は、図2を参考にしてください。残す位置は、結果枝の中心から先端部分とします。摘果する果実は、病害虫被害果、小玉果、変形果、奇形果を中心に、大きくて健全果を残すようにします。
 仕上げ摘果は、樹勢、品種、着果位置などを考慮しておこないます。強く摘果して、新梢が強く伸びるようでは良くありません。予備摘果は、生理落果が終わったことを確認してからおこないます。
 仕上げ摘果が終わったら袋かけをおこないます。袋かけは、裂果を防止し外観を綺麗にします。また、病害虫の被害を低減することができます。早生品種は無袋栽培が可能ですが、中晩生品種は、袋をかけなければ病害虫の被害や、外観が汚くなります。袋は、アポロ袋桃用(白)V切Lや撥水アポロ袋桃用(白)V切大を使用しますが、八幡白鳳・みさか白鳳・川中島白桃はYピーチ撥水22VS-ミニ大(二重袋撥水ミニ)を使用すると、外観が綺麗に仕上がります。

図2

(3)新梢管理
 樹幹内部に光が入るように、また樹形を整えるため、5月に樹勢を乱す強く伸びる新梢を捻枝や摘芯を、6月の収穫前に果実に光を当てて品質を向上させる夏期剪定をおこないます。
 捻枝は、発生位置から1cm程度の部分から先をひねり、枝の勢いを抑える方法です。
 摘芯は、基部から20cmほど残してハサミで切除します。
 夏期剪定は、樹幹基部から発生している強い徒長枝を中心に20cm程度残して切除します。
 また、9月に主枝や亜主枝を整えるため、強い徒長枝や樹形を乱す枝を切除します。

(4)収 穫
 モモの収穫は、果実の着色と熟度を見ながらおこないますが、果梗周辺の地色が抜けて果肉に弾力が出たころが収穫時期です。
 早採りになると品質が良くありませんので注意し、全体に着色してから収穫します。着色にとらわれて、早採りにならないように果実の熟度を判断しながら適期収穫に努めます。収穫後は、次のことに注意して下さい。収穫は、果実温度の低い朝におこなう。モモは軟化しやすいので、収穫した果実は、直射日光を避けて、果実の鮮度保持に注意する。

(5)整枝剪定
剪定時期は、12月~1月頃です。整枝剪定の目的は、生産性が高く栽培管理がしやすい樹形を作ることです。樹形は、主幹>主枝>亜主枝>側枝>結果枝の順として均衡のとれた樹冠を構成します。そして、樹冠の内部まで日射が入るように枝を配置します。また、防除薬剤が樹全体にかかるように整枝します。
 整枝は、主枝は2本とし、第1主枝や第2主枝は、なるべく下の方から弱い枝を選び、主枝間の勢力の均衡をとるようにします。上部の枝を大きくせず、枝の強さは、主枝、亜主枝、側枝、結果枝の順とします。 また、樹冠内部へ日射を多くするため樹形を三角形し、結果部位での側枝は、二等辺三角形になるように結果枝を配置します。
 モモは基部の枝が強くなり、樹内部が暗くなるので、樹幹の基からでる枝は間引きます。樹冠内部の日当たりを良くするため、樹幹の基からでる新梢は間引き、主枝、亜主枝を外側に向けて斜めに伸ばしながら樹冠を広げます。

(6)側枝の誘引
 モモは、陰部から新梢が発生しにくい樹です。強い枝を利用する場合は、添い竹をして強い枝を横に誘引すると、亜主枝や側枝が形成されバランスのとれた枝の配置が可能です。

(7)施肥管理
 基肥は、有機配合肥料を主体に植物が必要とする2/3程度の成分量を施用します。モモは、開花・萌芽が早いので、春先の成長の盛んな時期から効かせることが必要であり、長い肥効が必要です。基肥は、11月頃に施用してください。
 礼肥は、収穫後に土壌の根の周辺の無機成分、特に窒素成分や水分が少なくなっています。これらの不足から葉の同化作用が減り、最終的には貯蔵養分不足を招きます。果実の収穫後に葉の光合成を盛んにして、貯蔵養分の蓄積を増すことを目的に、速効性のチッソを主体に9月上旬に施用します。
 施肥は、肥料を土壌の表面に散布する表層施肥が普通です。樹の周囲に輪状に施用するか、土壌と混和し、施肥したら中耕を必ずおこないます。
 1年間の10aの施肥例を表4に示しました、参考としてください。

(8)病害虫防除
 病害虫に弱い樹種です。病害では、縮葉病(4月)、せん孔細菌病(5~6月)、灰星病(4月・収穫期)、黒星病(4~5月)、ホモプシス腐敗病(収穫期)、炭そ病(4~5月)、うどんこ病(5月)、褐サビ病(8月)が発生します。害虫では、シンクイムシ類(5~6月)、ハモグリガ類(4~5月)、アブラムシ類(4~5月)、カイガラムシ類(年間)、カメムシ類(5~6月)、コスカシバ(年間)が加害します。地域の防除暦にそって防除に努めてください。
*( )発生時期

表1・2・3・4

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