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ベゴニアの管理~茎腐病~

[2024.08.01]

●営農技術指導員 大澤梅雄●

▲ベゴニアセンパフローレンス

質問
 ベゴニア・センパフローレンスは他のベゴニアに比べて強いと聞き、去年苗を購入しました。
 5号鉢に植えて育てていましたが、8月になると枯れてしまいました。使い古した土を使ったからでしょうか。

回答
 確かにベゴニア・センパフローレンスは球根ベゴニアやエラチオールベゴニアに比べ耐暑性があり、当地の夏の暑さにも耐え、しかも冬の寒さで地上部は枯れても翌年の春には新芽が芽生えてくるほどの耐寒性を持っています。
 強靭な種類であるからこそ、鉢植えだけでなく花壇の植栽などにも広く使われ、まさに家庭園芸の必須アイテムです。
そんな「スーパーベゴニア」なのですが弱点もあります。立枯れが発生しやすいので、去年枯れたのもおそらく病気による枯れと思われます。

●病原菌と病名
 立枯れを起こしたのは、カビの一種であるリゾクトニア菌が原因です。この立枯れを「茎腐病」といいます。
●発生源 
 前作の植物残渣にリゾクトニア菌の菌糸か菌核が付着して土壌中に残っていた可能性があります。
●症状
 茎に褐色の病斑が現れ茎は折れやすくなり、葉は落ちて茎だけになりみすぼらしくなります。その茎は軟化して株ごと枯れてしまいます。
●発生要因
 この菌の発病適温は25~30℃と高温域にあり、土壌中に多くの水分を含んでいると発病しやすくなります。また、まれに未分解の有機物があると発病を促します。
5 病気に罹らないための対策
●耕種的防除 
ア 適度な水やりに努めます
 暑いからと言って鉢土の水分状態を確認せず、機械的に朝夕水をやると鉢土が過湿となることもありますので、必ず土の水分状態を確認してから水を与えて下さい。
イ 太陽熱による土壌消毒
 容器栽培した後の土、いわゆる使い古しの土は消毒してから使うようにしましょう。大量ではなく少量の土を太陽熱で消毒する方法を紹介します。
(ア)太陽熱で消毒できるわけ
モザイク病を引き起こすウイルスは90℃10分で死滅しますが、カビなどの菌類(立枯れ性土壌病原菌含む)は比較的低い40~60℃で死滅するといわれています。夏の暑い時期には耕土内はおよそ30℃くらいまで上昇しますが、消毒効果を期待するのであれば地温をあと10℃以上引き上げる必要があります。引き上げるには、土をポリ袋に入れ密閉状態にして土の温度を50℃にする方法です。
(イ)消毒適期と期間
夏の高温期(7月中旬から9月上旬)が最も効率的に消毒できます。消毒期間は最低30日とします。曇天続きで晴天が少なければ消毒期間を延長しましょう。
(ウ)土の量
目安は概ね15ℓ(58×18×19㎝のプランター1杯分)程度です。
(エ)消毒方法
①ゴミ袋として市販されている透明な45ℓポリ袋に15ℓの土を入れます。消毒期間中は最も日当たりの良い所に置きっぱなしにしますので、土詰め作業は袋を置く予定地で行うとよいでしょう。②適度な土壌水分状態は土を握って団子状になり指で押すと壊れる程度とします。団子状にならなければ水を加え、汁が出るようであれば乾燥した土を加え水分調節します。③空気を入れて袋を膨らませ雨が入らないよう口を縛り密閉します。④消毒は袋の口を開けることで終了です。土が冷めれば使用できます。
(オ)消毒後の鉢土管理
 余った土は容器あるいは袋に入れて保管しましょう。
(2)農薬散布
 ベゴニアの変調に気が付いたらオーソサイド水和剤80の600倍液を茎葉に散布します。散布回数は8回以内にとどめておきましょう。

                     営農技術指導員 大澤梅雄

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