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リンゴの栽培

[2023.06.01]

●営農技術指導員 須崎静夫●   

 青森県や長野県が有名です。温暖な地域での栽培では、果実は、赤くならないことがあります。1本の樹にたくさんの品種を接いでもいいでしょう。種苗法を遵守してください。自家結実性が低いので、交配親和性の高い品種の花粉が必要です。

▲品種のいろいろ

年間管理
●整枝せん定
 落葉してから発芽するまでに行ないます。自然開心形・紡錘主幹型など、品種特性に合わせた樹形とします。枯れ枝や、内向枝、下垂枝などを外します。枝の先端に花芽を形成するので長い枝(予備枝)の先端を軽く切り返し、翌年の短果枝を育成します。
●摘蕾
 結果母枝のもとについた短い枝(短果枝)に実を成らせます。つぼみが少なければ、長い枝(長果枝)の先端にもならせましょう(図1)。

▲図1 摘蕾 1果そうの花を半分に減らす

●人工授粉
 短果枝を中心に1枝、3~5花に授粉します。交配親和性がわからない場合には、ヒメリンゴや花の色や実の大きさの異なるリンゴやカイドウの花粉を使うとよいでしょう。「ふじ」「王林」「つがる」「世界一」、カラムーナタイプ「メイポール」なら、お互いに交配親和性があります。ヒメリンゴ「アルプス乙女」には、1本でも実が成る性質(自家結実性)があります。
●摘果
 着果を確認したら早めに、遅くても開花30日後までに行ないます。大玉系なら葉果比60(葉っぱ60枚に果実1個)、または5果叢に1果を、小玉系なら葉果比40、または3果そうに1果を目安にします。初めに咲いた中心果、あるいは形の良い果実を残します(図2)。

▲図2 摘果 果軸の太い大きな果実を残す

●袋掛け・枝吊り・除袋・玉回し・葉摘み
 摘果が終わり次第、袋を掛けます(図3)。サビ果予防・着色促進・病害虫防除などに効果があります。市販の果実袋を利用すると便利です。果実の重みで枝が下がるので、枝を吊ったり、支柱で支えたりします。
 着色のため、「ふじ」では収穫30日前から、「つがる」では10日前から除袋します。急に行うと、果実が日焼けするので、2・3日かけて、少しずつ馴ら(慣ら)します。着色を妨げている葉っぱがあれば、日当り良くなるように、果実を回すか、葉を摘み取ります(図4)。葉取らずリンゴもありです。

▲図3 袋かけ 果実肥大促進・着色向上・病害虫防除のため

▲図4 葉摘み 着色向上

●収穫
 果皮の着色だけでは判断できません。満開後日数や食味を確認しながら行います。早めの収穫ではデンプン臭が残り、遅めの収穫では落果が増えます。

●病害虫防除
 防除・施肥こよみ(※)を参考にしてください。カミキリムシ類が地表面近くの幹を加害し、樹を弱らせたり、枯らしたりします。株元を草刈りできれいにする、ネットを巻き付けて成虫を絡ませる、成虫を捕まえる、幼虫をトンカチで外からたたく、針金でつつく、などで防除します。農薬を使用する際には、農薬使用基準を遵守し、農薬使用履歴を記帳してください。
●施肥例
 休眠期(12月:元肥)、果実肥大期(6月:追肥)、収穫期前後(10月:お礼肥)に施用します。※防除・施肥こよみについては、お近くの営農生活センターへお問い合わせください。Webからも入手できます。
●おまけ
 品種選定・苗木定植~育成・整枝剪定(総論)については、2020年10月号:品種の選 定・苗木の育成、2020年11月号整枝せん定を参照してください。

●ちょろっと一言①●

 貯蔵技術や輸入のおかげで、年じゅう販売されています。リンゴに詳しい青森県人でも「りんごぷよ検定」は、なかなかの難問だそうです。一度、挑戦してみませんか。他にも、カンキツ・ナシ・ブドウ・モモなんかいかがでしょうか。

▲図「りんごぷよ検定」のイメージ

 この画面では何にも動きません、悪しからず。同じリンゴを組み合わせてください。とはいうものの、同じ品種でも、縞や斑点があったりなかったり、袋掛けたり掛けなかったりされているので、なかなか、わかりませんね。大好きな「むつ」がありません。

▲図 品種名の答えです。黄色・水色マーカーのリンゴは同一です。

●ちょろっと一言②●
 リンゴやナシ栽培の盛んなところでは、小中学校で皮むき大会が開かれています。大会に向けて一所懸命、練習する子どもさんもいるとかいないとか。長さの記録は200㎝を超えるそうです。皆さんも一度挑戦してみませんか。おけがのないように。

▲図 リンゴ皮むき大会(長さの部)決勝戦のイメージ

●ちょろっと一言③●
 この地域でもちょっと前まで、「リンゴ狩り」が行われていたそうです。体験農業とか農業体験は、情操教育にもいいみたいですね。6月なら、「ウメ」「ビワ」「ブルーベリー」なんかも狩り体験できそうですね。狩りまでは、というなら、「みかんの摘果」なんかは、はさみも要らないし、アレルギーもなさそうだし、落とした幼果でキャッチボールやボールノックをしたり、アオムシやカエルがいれば他のお楽しみがあるかもしれませんね。

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