農と食

ホーム > 農と食 > 農のこと

果樹の整枝剪定・実践編

[2026.01.05]

●須崎 静夫営農技術指導員●   

●はじめに

 剪定のポイントは「ノコギリで切る・ハサミで切る・真剣に切る」です。庭師さんにお願いされても良いでしょう。「適当」がわかると嬉しいです。数値は適当、よく切れるノコギリ・ハサミ以上に適当に頭の切れる、お弟子さんも嬉しいですね。一部例外はご容赦を。

●おさらい

 剪定時期は、落葉果樹が落葉後から開花または発芽するまで、キウイフルーツ、ブドウは水が上がり始める1月末には終わらせましょう。カンキツ類やビワなどの常緑果樹と寒さに弱いイチジクは、3月中旬から発芽するまでです。ビワは、収穫後(7月)か開花前(10月)にも行なえます。棚・フェンス栽培なら、剪定後に枝が重ならないように誘引します。誘引しながら不要な枝を剪除しても良いでしょう。生育期間中の新梢・着果管理にも努めてください。

●考え方

 大きな成木なのか幼木・若木なのか、樹を大きくしたいのか小さくしたいのか、家で食べるだけなのか、ご近所にもお配りするのか、産直施設で販売するのか、なども考慮します。成木なら現状維持を基本に、収量や作業性・安全性にもご配慮ください。取り切れない・食べ切れない・売り切れない・防除しきれないなら、低樹高に仕立て直しましょう。幼木・若木なら、成木をイメージします。

 家庭果樹の多くは、樹と樹の間隔が狭すぎ、主枝が多すぎ、枝がこみすぎです。思い切って、自分ちにある隣の樹を伐採したり、重なる上の方の枝を1・2本外したりするとスッキリします。

 実際はさておき、頭の中では、南側、上の方、主枝・亜主枝先端から行います。枝のどこに実が成るのかといった結果習性と、どこに成らせたいのかという人間の都合を利用します。予備枝を作って、翌年・翌々年にも、実を成らせるような長期計画でお願いします。

●樹種別の剪定方法いろいろ

 ①カキ・クリなど

 前年に枝が10~50㎝くらい伸びて、当年にその先端2・3芽から伸びた新梢に花が咲いて実が成る樹種では、枝を切り返すと花が咲きません・実が成りません。このため、成らせたい枝は切り返さず、主枝・亜主枝先端のように成らせたくない枝は、伸ばしたい向きの葉芽の先で、強く切り返します。徒長枝や不要な枝を間引きます。前年に実の成った短い枝は、充実が悪いので適当に外します。日当たりが悪いと、下の方にある枝は枯れてしまいます。

 ②イチジク・ブドウ・キウイフルーツなど

 前年に枝が適当に伸びて、当年に充実した芽から出た新梢に花が咲いて実が成る樹種では、芽を適当に残して切り返します。

 イチジク秋果品種では、5cmくらい、2・3芽残して切り返します。向きや強さは芽かきや誘引で調整します。夏果品種では、幼果の着いている枝はそのまま残し、幼果の着いていない枝は適当に外すか、短く切り返します。

 ブドウでは、ドブヅルと呼ばれる長く太い枝や充実の悪い枝、枯枝を取り除きます。ジベレリン処理するタネなし栽培の短梢剪定では、大きな芽のある1~3節で切り返します。ジベレリン処理しないタネあり栽培では、中・長梢の6~8節か、8~10mm程度の同じ枝の太さか、節間の詰まったところの、それぞれ1芽先の犠牲芽で切り返します。タネなしなのか、タネありなのかは、品種・樹勢・着果性や栽培方針で決めてください。

 キウイフルーツのメス樹では、まず、徒長枝や巻きヅル、不要な枝を外します。前年に実の成ったところから7・8節目か、鉛筆の太さで切り返し、短い着果枝は間引きます。果梗枝も丁寧に外しましょう。オス樹も、適当に鉛筆の太さで切り返したり、花芽のある短めの枝を残したりします。開花・授粉直後に、バッサリ切り返しても良いでしょう。

 ③ビワ

 春先なら幼果が、7月なら果梗枝残骸が、10月なら花芽・蕾があります。それぞれ、要不要を判断してください。相対的に見て、幼果が綺麗で大きければ要、果梗枝残骸のある枝は不要、花芽・蕾も大きければ要でしょうか。低樹高化を図るなら、適当に切り下げながら、3本中の長い枝を外します。枝の途中から発生している予備枝も利用しましょう。

 ④ウメ・ナシ・モモ・リンゴなど

  前年に花と葉っぱを持った花芽や葉芽が、当年に開花、発芽する樹種では、開花・結実・新梢伸長するところを予想・観察できるので、適当に間引き・切り返し剪定を組み合わせます。徒長枝や下垂枝、不要な枝をもとから外します。主枝・亜主枝の先端のように伸ばしたいところは、伸ばしたい向きの葉芽の先で切り返したり、花・果実を落として、新梢の伸びを促したりします。

 ⑤カンキツ類・その他

  見る人が見ればわかるけれども、どこから花が咲くのかわからない樹種では、適度に間引き・切り返し剪定を組み合わせます。前年に成った枝を外すか、当年に成りそうな枝を少し外して成りを制限するか、切るかは、前年の成らせ具合でも変わります。毎年、ほどほど適当に成らせるか、成りの良い表年と成りの悪い裏年とを周りと反対にすると、儲かるかもしれません。

▲カキの剪定

▲キウイフルーツの剪定

▲クリの縮・間伐

▲カキ・クリ:成らしたい枝はそのまま・伸ばしたい枝は葉芽の外芽で切り返す

▲イチジク秋果品種:2~3節で切り返す イチジク夏果品種:幼果を見ながら適当に切る

▲ブドウ:適切に切り返す、1芽先の犠牲芽で切る

▲キウイフルーツ:鉛筆の太さか、着果節から7~8芽で切り返す

 

▲ビワ:間引き剪定で枝を外す 樹を大きくするなら短い枝を外し、小さくするなら長い枝を外す

▲ナシ:間引き・切り返し剪定を組み合わせる

▲ナシの計画的な結果枝更新(4年サイクルの例)

  →:予備枝→長果枝(1年枝)→短果枝(2年枝)→短果枝(3年枝)

↑                 →近くの主枝・亜主枝からから予備枝 → ↓

↑ ← ―――――――――――――――――――――――――――――――――――   ← ←

▲モモ・ナシ:間引き・切り返し剪定を組み合わせる

▲カンキツ類:前年の成り枝を外し、今年の成りそうな枝を残す

▲リンゴ:短果枝に成らせる・長果枝は軽く切り返して、翌年の短果枝を作る

▲ポポー:もとに花芽があるので、適当に間引き、切り返す

果樹の着果習性 前年枝が茶色、当年枝が黄緑色です。

●ちょろっと一言:言葉の綾●

 剪定の際の会話で、「この枝は、取っといてよ」と言われました。「とっとく」は、「取る・外す・落とす」のか「取らずに大事にとっとく」のか、紛らわしいですね。取らない方の「とっとく」は、「外さない・落とさない・付けとく」、取る方の「とっとく」は、「外す・落とす」のような表現をされるといいかもしれませんね。

●ちょろっと一言:剪定の実際●

 剪定のポイント①は、「迷ったら切る」です。ポイント②は、「カキやウメの落葉果樹は、剪定したことが分かるように切る」、「ミカンなどの常緑果樹は、剪定したことが分からないように切る」です。ご家族で栽培されている時には、どうしても意見が分かれるので、別々の樹とか園地で行う方がいいのかもしれませんね。

●ちょろっと一言:ブドウの「種あり栽培」●

 こだわりやさんは、「種あり栽培」が基本です。理由には、「糖度が高い」「コクがある」「脱粒しにくい」などが挙げられています。「種なし栽培」に比べ、花穂整形、ジベレリン処理、摘粒の「労力がかからない」とか、「時期をずらせられる」というのもありそうですね。

●ちょろっと一言:ウメ・カキ・クリの樹形改造・低樹高化●

 カラースプレーをご用意ください。今年切るところへは赤、来年切るところへは黄色く塗り、だんだんと太い枝を切ります。これを毎年、気が済むまで、繰り返します。調子が良ければ少しずつ低樹高化、樹形改造が進み、4・5年ですっきりとした樹形が出来上がるでしょう。とはいうものの、途中で気が変わるのか、家族の反対にあったのか、いつまでたっても赤いスプレーの跡が残っています。そんな時は、こっそり粗皮を削ってください。

 

  • ファーマーズマーケットぐぅぴぃひろば
  • ウキウキポイントカード
  • ぐぅぴぃひろばチャンネル
  • ローン相談センター
  • 広報担当者のブログ
  • 営農技術指導員の紹介
  • 広報誌「ふれあい」
  • Aコープ高蔵寺店お買い得品チラシ
  • 不動産センター
ページTOPへ戻る