
果樹機械・機器の紹介②(ちゅうものアイテム)
[2025.10.03]
●はじめに
果樹生産者の方が使われている便利な機器・アイテム(ちゅうもの)を一部ご紹介します。ないものは工夫しましょう。
○測定機器
①糖度計
屈折型は、収穫前からの果汁糖度を測定するのに適しています。実際は、屈折度を測定しているので、水に溶ける糖分以外も数字に表れます。「このミカンは甘いよ」vs「糖度は12度ですよ」とでは、どっちを購入されるでしょうか。測定範囲が広いと、はちみつやジャムの糖度も測定できます。
非破壊型は、果実を切らずに、糖度を測定します。1個ずつ測定することで、規格が揃い、糖度表示もできます。当産地でも、令和6年に10台導入され、産直出荷者に利用されています。大きな産地の選果場には、光センサー式の糖度計が導入されて、産地間競争をしています。仕組みは謎で、光を反射させたり、透過させたりして、機械の中(ブラックボックス)で推定しています。樹種によっても差があり、カキ・ナシ・モモ・リンゴの様に、果皮が薄いと、精度が高くなります。
②音声式重量判別機/選別機
予め、重さの階級をS・M・L、15・18・20玉などと入力して、1個ずつ取り出すと、階級を声で教えてくれます。商品名「ピーチク・パーチク」「分太Ⅱ」があります。
③㏗(ピーエイチ)測定器
土壌溶液の㏗(酸・アルカリ度)を測定します。7が中性で、小さいと酸性、大きいとアルカリ性です。生育順調ならそれほど気にすることはありません。生育不良時とか、好適範囲の異なるブルーベリーの植付け前には測定しましょう。詳しい土壌分析(1点1,320円)を経済連で行っています。簡便なリトマス紙のような試験紙もあります。果汁の酸度も測れます。
④アシストスーツ・パワースーツ
バネや電動で人間の働きを補助してくれます。重い荷物も、半分くらいの力で持ち上げられます。バネや滑車の原理を応用したサポート・補助具もあります。
⑤充電式冷房用・暖房用ジャケット/ベスト
冷房用は、クーラーや冷媒(氷・水など)がモコモコの中に内蔵されています。近くに寄ると、不気味な音がして真夏に暑そうな格好ですが、涼しげな表情をされていますね。車と同じで、バッテリーとかケーブルなど、いろいろな付属品がいります。最近は、バッテリーなし、冷媒なしの製品も出てきました。ヒーター内蔵の暖房用は、ネコが喜びそうです。クーラー・ヒーターの単体・別売りもあります。
⑥軽トラ・脚立の補助具
軽トラの荷台に引っ掛けるステップや脚立の足場を安定させたり、座って作業ができたりするような補助具もあります。
⑦チェーンブロック
滑車の原理で、小さな力で大きな力を出してくれます。バックホウのない頃から、樹の伐根や重い石の移動に活躍しています。
●ちょろっと一言:糖度計・酸時計●
自由研究に如何でしょうか。果物やジュース・ミルク、他にもソースや醤油など、液体なら何でも、糖度や㏗・酸度を測定してみましょう。モモや温州ミカンも品種別とか、大きさ別に測定すると、何か傾向がわかるかもしれませんね。
●ちょろっと一言:センサー選果●
果物選果の糖度センサーといえば「光センサー」とばかり思っていましたが、ついに出ました「自然味センサー」by「ひの●ミカン」です。
●ちょろっと一言:時代の流れ:ペーハーかピーエッチか、ミリバールかヘクトパスカルか●
時代の流れで、ピーエッチです。昔は、ドイツ語とも知らずに、ペーハーでしたね。今でも、ついつい言ってしまいます。「ベスト」が「チョッキ」もしかしたら「ジル?」、「タートルネック」が「トックリ」までで、「衣文掛け:ハンガー」は使いません。「ブロワー」や「バッテリー」の語尾(横棒・伸ばし棒)もメーカーによって、あったりなかったりします。