
狩り園・オーナー園
[2024.08.01]
●はじめに
時々、旅行雑誌には、狩り園・収穫体験が特集されます。カキ・クリ・ナシ・ブドウ・ブルーベリー・ミカン・モモ・リンゴなど、ほとんどの樹種で行えます。
イチゴは、果物か野菜か微妙な立場ですが、収穫してすぐに食べられて、お楽しみも倍増かもしれませんね。
ウメ・キウイフルーツ・ギンナン・クリ・西洋ナシなどは、収穫できても、なかなか、すぐには食べられません。
あなたは、「つくる人?」、それとも「楽しむ人?」どちらでしょうか。
●注意すること
アレルギー表示義務には、アーモンド・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・クルミ・マンゴー・モモ・リンゴがあります。アレルゲンがよく似ているらしくて、花粉症の方は要注意です。
その他、ウメ・カンキツのトゲやギンナンのかぶれ物質、クリのイガにも注意です。完熟果・腐敗果には、カナブン・カブトムシなどの甲虫類やスズメバチが集まってきます。
小さなお子さんが収穫できるように、手の届く低いところに果実を成らせたり、イラストの描かれた袋を被せたりすると、喜ばれます。
また、ブドウの房を紅白・紫緑の色違いとか、ハート型にしたり、とっても大きくしたりすると、話題になるかもしれませんね。
●施設
駐車場、トイレ、暑さ寒さ雨除けのための屋根のある休憩所は必須でしょう。
ナビがあるとはいえ、わかりやすい看板・案内表示も有効です。SDGsで車椅子対応とかバリアフリーの段差解消もポイントです。
ゴーカートやアスレチック、小川で水遊び・魚つかみ、動物への餌やり、昆虫採集、工芸品・加工品づくり、BBQ・ピザ窯・レストランなどもあり、ここまでくると、何が本業かわかりません。どこか先進地を参考にするとよいかもしれません。法律で決められているかもしれません。笑顔は無料です。
雨でも収穫できるように雨除けのほ場があると安心です。鉢植えを移動させてもよいでしょう。
●品種・樹種の組合せ
早生品種から晩生品種まで、切れ目なく構成しましょう。ブルーベリー→モモ→ブドウ→イチジク→ナシ→クリ→キウイフルーツ→カキ→ミカン→リンゴのように樹種でつないだり、スイートコーンやサツマイモ・ダイコン・ニンジンなどの野菜収穫を組み合わせたりしてもよいかもしれません。
顧客の期待できる土休日・長期休暇などだけに、成熟させようとしてもちょっと無理な相談です。ブドウやミカンなら樹上での棚持ちも期待できます。例えば、平日には出荷・販売して、繁忙期には狩り園としてもよいでしょう。
●顧客目標
とある鉄道会社(小●急)が、子ども料金を安くして話題になりました。食べ放題でも、小学校入学前までは、無料とかもあります。大人がついてくれば、元が取れそうです。狩り園はおまけで、本業で果物や加工品を販売してもよいでしょう。
●送迎サービス
送迎の営業免許あれば有料、なければ無料になります。電車やバス、タクシー利用なら一部割引とか、交通系カード決済もありです。
●食育・食農体験
狩り園以外にも、ジャムやママレード・アイスクリームやケーキ・パフェ・栗きんとんなどの加工品・お菓子づくりとかも楽しめます。梅干しづくりとか、ミカンやユズの果汁絞りもあります。
ジャムは、大きな鍋に、果実と砂糖を加えて加熱します。水分を飛ばして、ゲル化したら、レモン汁を加えて出来上がりです。糖度計で計りながら作ってもらうのもよいでしょう。やけどに注意です。出来上がりのタイミングとか、ビン詰とか、殺菌の方法を習得しておきましょう。クラッカーに載せたり、ヨーグルトにかけたりしてお楽しみください。
栗きんとんは、クリを茹でて半分に切って、竹べら・スプーンで中身を出して、潰して砂糖を混ぜて、茶巾(布巾・キッチンペーパー)で絞りましょう。
●栽培体験
ブドウの芽かき・袋掛け・ミカンの摘果・リンゴの葉摘み体験なども、時々、新聞やTVで話題になります。
●オーナー園
カキ・ブドウ・ミカン・リンゴなどの樹を期間限定で貸出す、オーナー園もありです。大きな樹なら、枝や棚の番線の枠単位で行ってもよいでしょう。
病害虫防除・施肥・中耕などを、主に園主側・貸す方が行い、芽かき・摘房・袋掛け・収穫などの栽培管理体験を、主にオーナーさん・借りられる方に、行っていただく方法です。ご近所同士でいさかいが起きないように、50cmくらいの緩衝帯をつくったり、果実袋の色・種類を変えたり、イラストを描いてもらうのもよいかもしれません。
貸す方のメリットには、収穫しなくてもよい、収益が見込まれる、他の農産品も販売できるなどがあります。
借りる方も、手軽に収穫など栽培管理の楽しみを享受できます。都合の悪い時には、送料込みで配送しましょう。料金は、お楽しみの体験料で、収量や品質は二の次と割り切りましょう。
うまく繋げば、サツマイモやジャガイモ、ダイコン、タケノコ、落花生、枝豆・大豆などの栽培や収穫体験にも応用できます。
●ちょろっと一言●
「ママレード」か「マーマレード」か、メーカーや世代によっても呼び名が変わりますね。
ちなみに、アヲハタさん・キユーピーさんはママレード、明治屋さんはマーマレードでした(令和5年現在)。
オーナーも、どっちがオーナーだかわかるように書くと、かえってややこしくなります。本来は農地所有者がオーナーでしょうか。
借りられるの「れる」「られる」も、受け身なのか尊敬語なのか、ややこしくなるので、一部、省略させていただいております。
●ちょろっと一言●
管内では、モモ農家の栽培をお手伝い願う「サポーター制度」があり、その延長線上に、「オーナー園制度」としてサポーターの方が管理するモモの樹が10本くらいあります。たくさん成らせている樹は、樹が果実袋で真っ白で、袋掛け翌日に袋がポトポト落ちています。
▼「イチジク狩り」の案内ポスターイメージ:開催場所・期間・場所・料金などは未定です(以下同)
●ちょろっと一言●
過疎化の進んだ産地では、「クリ拾い」のボランティアさんが活躍されているそうです。一定量をおみやげ(取り分)としてお渡しする約束で、来られる方も、レジャー気分を味わうことができます。実際、親子でクリ拾いをされると、子どもさんよりも親御さんの方が夢中になる、というのは、良くある話ですね。
▼子どもより背の高いブドウの房づくりに挑戦してみませんか
▼果実を低い所に成らせたり、踏み台をご用意したりして安全第一でお迎えしましょう
▲果実袋にイラストを描いてもらってもいいかもです。
著作権とか肖像権、個人情報にもご注意願います。
自画像ならOKですね。
●ちょろっと一言●
昔、「あなたつくるひと」「ぼくたべるひと」というCMがあり、物議を醸しましたね。
この原稿は、家庭果樹を楽しまれている方向けですが、準会員である、一般の消費者の方にもお届けさせていただいているため、どちらにもとれるようにしています。
さて、あなたは狩り園を「つくる人?」、それとも「楽しむ人?」
●ちょろっと一言●
少し前に、「クルミ」がアレルギー表示義務食品に追加されました。なかなか実感できませんが、「ウルシ」には、ちゃんとかぶれ、「サバ」を食する時は、ちょっと躊躇います。
「青のり」には「エビ」「カニ」の入る漁法で採取していますとか、材料の醤油には「小麦」「大豆」が使われていますとか、ていねいな表現がされていますね。
アレルギーと関係の深い「花粉症・鼻たれ」も、突然やって来るようなことを聞きました。お迎えとどっちが早いでしょうか。
●ちょろっと一言:食べ物で遊んではいけません:果樹園・狩り園でのお遊び・レクリエーション●
果樹園・狩り園でのお遊び・レクを考えてみました。
分かりやすいのが、詰め放題とか重さ当てです。さて、生体込みで何グラムになるでしょうか。
▼ブドウの粒数当てもあります
▼輪投げなら、入ったところの番号とか現物が景品でもいいでしょう。アケビ・キウイフルーツ・ブドウの剪定枝リースを輪にしてください
▼摘果した果実、いらない果実・剪定枝などを、投げたり、倒したり、集めたりして、余生を楽しんでもらいましょう。
穴とか缶に入れたり、クリの毬入れしたり、などはいかがでしょうか。
後片付けまで、できちゃう仕組みにしてお楽しみください。
▼食べる前なら皮むき大会(ながさの部・はやさの部:カキ・ナシ・ミカン・リンゴ)とか、食べた後ならタネ飛ばし(さくらんぼ・ビワ)なども。
1日だけの傷害保険もあります。
▼参加者の年齢や興味に合わせて、いろいろお楽しみください。