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農薬の適正使用②

[2026.03.09]

●営農技術指導員 須崎静夫●  

●はじめに

 農薬に関するよくあるQ&A(FAQ:自問自答あり)その1です。最近は、農薬ラベルにもRACコードが表示されたり、注意書きに絵文字・ピクトグラムが使われたりするようになりました。

 

☆Q1:農薬を混用しても良いですか?

★A1:使用者判断・使用者責任です。同じ時期の防除こよみの枠に仲良く並んでいれば、混用できるとご判断ください。ラベルの注意事項や農薬メーカー等作成の混用事例集も参考にしてください。混合剤とか、単剤でも3剤・4剤での混合になると、もう訳が分かりません。混ぜる順序で、沈殿・凝集することがあります。牛乳にリンゴ果汁はOKでも、リンゴ果汁に牛乳は凝集してNGのイメージです。同じ樹種でも品種や生育状況、樹勢、希釈濃度、天候などにより、薬害が発生することがあります。

 ず~っと以前から、ものの本には、殺ダニ剤と殺虫剤を混ぜると、殺ダニ効果が高まるような記述もみられますが、ダニの薬剤に対する感受性や使用時期によっても効果が変わってくるので、真偽のほどは分かりませんね。

☆Q2:使用回数の数え方は?

★A2:慣行栽培では1回、2回…です。栽培年度期間中の使用回数になります。果樹の栽培年度は収穫終わりの翌日から約1年間です。例えば、令和8年産の収穫終わりが6月30日なら、令和9年産は、令和8年7月1日から翌令和9年の6月下旬ころの(実際の)収穫終わりの日までになります。防除こよみも、この栽培年度に合わせてあります。果実が成る前の苗木も、同じように考えてください。

 成分カウントでは、農薬の成分ごとにカウントします。2剤の混合剤であれば1回で2カウントです。展着剤も分類は農薬ですが、そこまでは数えませんね。

 例えば、ちょっと前の(2022年ころ)、「かき」でのスタークル顆粒水溶剤のように、この剤の登録では、散布3回以内しかないのに、同一成分を含む農薬の総使用回数4回以内で、散布は3回以内、と、この剤では登録のない塗布1回以内(どこかに、同一成分を含む農薬に塗布の登録があるんでしょうね)、というような、ややこしい基準もあります。

▲「リンリンはるか」&「クルクルはるみ」双子ちゃんです

☆Q3:登録範囲よりも、ちょっと薄い濃度やかなり濃い濃度で使用できますか?

★A3:薄い濃度では効果が不明です。使用回数1回がカウントされます。範囲を超えた濃度や(総)使用回数を超えた場合には、もちろん登録外使用の農薬取締法違反となり、産直施設へ出荷できません。同一成分を含む剤の総使用回数とか、ややこしい使用基準もあるので、各自、十分注意してください。残留農薬は、なん百万分の1くらいの非常に高い精度で分析されます。

 例えば、「かんきつ」でのラウンドアップマックスロードは成分がグリホサート48%で使用回数が5回以内とあるのに、草枯らしMICは成分がグリホサート(イソピルアミン塩)41%で使用回数が3回以内しかないのは、なんででしょうか。草枯らしMICの方が成分少ないのに効果的とか、残留しやすいとか、何か理由があるのかもしれませんね。

☆Q4:散布後に雨が降ったら、効果はどうなりますか?

★A4:いくら天気予報に注意していても、にわか雨などは避けきれませんね。効果は、剤の特性により異なります。展着剤や雨の強さ・雨量・時間とも相談してください。直接作用する殺虫・殺ダニ剤なら、当初の任務を全うしているかもしれません。流されてしまったかもしれません。殺菌剤は浸透移行性・浸達性があれば、期待できますが、こちらも雨で流されるかもしれません。雨水で、剤が溶け出して効果を発揮する殺菌剤もあります。なるべく早めに、次善策をご検討ください。雨前も雨後も見方を変えれば同じですね。雨が降っているのに散布する、宇宙人が行う「雨中散布」という方法もあります。意味が分かりません。

●ちょろっと一言:FAQかFQAか●

 思わず、Google先生にお尋ねしました。「よくある質問とよくある回答」のようで、答えは「よくある質問とよくある回答」です。よくあるが「F」で始まる英単語「よくある」、Aが「尋ねられる」の「askの受け身」で、Qが「クエスチョン」です。Aを「アンサー」と思うから間違えてしまいますね。Google先生がおみえにならなければ、知らないうちに「よくあるQ&A:FQA」にされそうです。ややこしい時は反対を覚えてしまうのは何故でしょうか。

●ちょろっと一言: 農薬散布の思い出 その②:輪っぱはどこに●

 農機センターの赤いSSを見ると思い出します。40年くらい前、タイヤを果樹園のどこかに落として帰ってきました。というか、帰ってくるまで気づきませんでした。6輪で良かったですね。最近はあまり6輪を見かけなくなりました。

 

●ちょろっと一言:農薬使用期間における栽培期間●

 永年性である果樹栽培の栽培期間は、「収穫終わりの翌日から次の年の収穫終わりまで」です。モモやナシのように、春に花が咲いて秋までに収穫が終われば話は簡単ですが、夏ミカンのように5月に花が咲いて、翌年の6月に収穫するなると、5月の中頃には花も果実も着いていて、農薬の使用履歴がこんがらがってしまいます。

 これとは反対に、イチゴは苗場から(掘り起こして・植え替えして)定植で、栽培期間の短い葉物は収穫されるたびにリセットされるみたいで、残留性も心配です。

 

●ちょろっと一言:混ぜる順序●

 昔は、テニス:①展着剤・②乳剤・③水和剤と覚えていましたが、いつの間にか剤型が増えました。クミアイ農薬総覧には、水溶剤・水和剤・ドライフロアブル(DF)・顆粒水溶剤・顆粒水和剤(WDG)・フロアブル剤(FL)・乳剤・EW(エマルジョン・オイル・イン・ウォーター)・液剤などが記載されています。

 FL・DFは水和剤と同じ、EWは乳剤と同じみたいなので、今の順序は、①と②の間に、液剤・水溶剤が入り、①展着剤②液剤・水溶剤・顆粒水溶剤③乳剤・EW④水和剤・WDG・FL・DFでしょうか。覚えきれませんし、どこがどう違うのかも、よくわかりませんね。

 とはいうものの、アビオンEのように最後に入れてください、なんていう展着剤もありますね。

 「有機栽培」というと、化学肥料や農薬を使用していないような印象ですが、「有機JAS法」では、天敵(テントウムシ・カマキリ・ヤモリ)とか天然由来微生物(BT剤/スピノエース:土壌放線菌/コロマイト:微生物生成物)・鉱物(ボルドー液・石灰硫黄合剤・機械油)・植物由来成分(でんぷん/粘着くん)・フェロモン剤(コンフューザー)などの農薬を使用でき、有機栽培期間中の(人工的に化学合成された)農薬の使用回数にはカウントされません、という法律のようです。コンフューザーのようなフェロモン剤は、もしかしたら化学合成?という意見もありそうですが、あまり難しく考えないようにしましょう。

▲てんとう虫4人娘・かまきり4人娘・かまやも娘

 

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