モッコクの管理 ~害虫防除~
[2020.08.01]
●営農技術指導員 大澤梅雄●
質問
去年の8月頃にモッコクの葉が枯れ始め、あれよあれよという間に、ほとんどの葉がなくなりました。今年の春には新芽が吹きましたが、また去年の二の舞とならないようにするにはどうすればいいですか。
回答
和風の庭には欠かせないモッコク。その花はランのセッコク(石斛)に似た甘い香りがすることから江戸時代に「木斛」と命名されたそうです。春の芽吹きが美しく、落ち浮いた雰囲気を醸し出します。
モッコクは生長が遅く、樹形が乱れにくいので庭木として申し分のない木ですが、ただ一つの欠点は、モッコクハマキという害虫の被害を受けやすいことです。
今月はこの害虫の防除について説明します。
1 モッコクハマキとは
インドや東南アジア原産のハマキガ科の蛾です。わが国では関東以西の比較的暖かい地域で多く発生し、該当地域では発生が常態化しています。
幼虫は赤褐色で、老熟幼虫は体長20mmほどになり、綴り合せた葉の中にいます。蛹も同様葉の中にいて越冬し、翌春4月下旬ごろから羽化し9月まで発生が見られます。卵から羽化するまで夏で40日程を要します。
2 被害
新葉の2~3枚が糸で綴られ、褐変するため、遠目から見てもすぐにわかります。春よりも秋の方が激しく被害を受けます。
3 防除
(1)4~9月まではモッコクの葉に注意を払い、初期防除に心がけてください。
(2)茎葉が込み合うと被害受けやすくなるので、枝を透かすように剪定します。
(3)農薬による防除の場合は、カルホス乳剤千倍液を散布します。散布時期の目安は、4月下旬、6月上旬、7月下旬、8下旬~9月上旬です。