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PFAの管理~センリョウ~

[2025.01.01]

●営農技術指導員 大澤梅雄●

質問

 最近では年末の寒い時期にあっても、色々な花苗が店頭に並ぶようになりました。わが家は毎年恒例で縁起物の寄植えを正月に飾っています。たまには趣向を変えて洋花を使った縁起物を飾りたいのですが、園芸店では気に入ったものが売られていません。そこで、素人でも簡単にできる和洋折衷の寄植えを是非教えてください。

回答

 植物の縁起物としてはマツ、タケ、ウメ、センリョウ、マンリョウ、フクジュソウなどが代表的ですが、今月はセンリョウに洋花のストックを組み合わせた作品を紹介します。

▲写真:和洋折衷

1 PFA」とは

 Pot Flower Arrangementの略で「ポットアレンジ」とも言っています。通常の寄植えより「早く・安く・美しく」をモットーに筆者が改良したものです。土は使いません。軽石を入れた容器に苗をポリポットから抜かずにポットのまま配置する手法で、手を汚さず簡単にアレンジを楽しむことができます。

2 ストックを使う理由

 正月用の切り花として親しまれているストックは、「あらせいとう」という和名があるものの流通上では英名の『Stock(ストック)』が一般的に使用されています。Stockという単語は、古くは植物の茎や幹をさすこともあったそうです。

 英国のエリザベス朝時代(1600年前後)のストックは、花の香りがカーネーション(ジロフラワー)に似ていたことから、「ストック・ジロフラワー」と呼ばれていました。しかし、発音しにくかったため、ジロフラワーが省略されストック(茎)だけが残ったそうです。そして時代が下り、ストックに茎の意味があるとはだれも思わなくなりました。むしろ現在では植物用語としてではなく、「在庫」や「株式」などの経済用語としてよく使われていますが、その他に蓄えるという意味もあるようです。

 そこで新たな提案をします。センリョウとストックを組み合わせれば、「千両を蓄える」という意味にもなり、年初にふさわしい縁起物になるのではないでしょうか。是非一度お試しください。

3 用意する材料

 立体的なデザインでまとめることにします。

(1)花材

 センリョウ2鉢(茎長40㎝程で実付きの4号鉢苗)、ストック1鉢(花茎長30㎝程の3号鉢苗)、ヤブコウジ2鉢(茎長20㎝程で実付きの3号鉢苗)

(2)容器

お椀型容器(直径30㎝、高さ20㎝)

(3)植込み材料

軽石(大粒)、その他必要に応じてインテリアバークやココヤシファイバーク

4 作成手順

(1) 容器と花材の正面を決め、併せて、主役、脇役、根〆のように花材の役割分担を決めます。今回はセンリョウを主役、ストックを脇役、ヤブコウジを根〆として使います。

(2) 正月飾りですので落ち着いた感じの構図とし、花の色は同系色でまとめてみます(写真)。センリョウとヤブコウジは一般的な赤実を使い、ストックは桃色を使います。

(3) 苗の入った黒い鉢が容器からはみ出さないよう、軽石を使って高さを調整します。センリョウの2鉢を後ろにストック1鉢を中央にヤブコウジ2鉢を手前に配置します。鉢と鉢の隙間にも軽石を詰めて鉢を固定します。

(4) 上から見て黒い鉢の縁が見える場合は、軽石を縁に乗せて隠します。より自然の風情を出したければ、ココヤシファイバー(ヤシ殻繊維)を使うと良いでしょう。

(5) 以上で完成です。

正月飾りですので「松の内」まで飾れるよう水やりを忘れずに。

<参考図書>

1岩崎民平,「CONCISE ENGLISH-JAPANISE DICTIONARY」,研究社,(1965)

2 アリス・M・コーツ,「花の西洋史事典」,八坂書房,(2008)

 

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