ポットフラワーアレンジ(PFA)の管理~二等辺三角型~
[2023.03.01]
●営農技術指導員 大澤梅雄●
質門
グリーンセンターの花売り場の中でも飛びぬけて派手なガザニアの花を使って、門扉周りを明るくしたいのですが、何か参考になる寄せ植え事例はありませんか。
回答
3月頃からグリーンセンターの花売り場には、それまで主役であったパンジーから、ガザニアやペチュニアなどに替わります。売り場は一気に春到来を感じさせることでしょう。
ご質問のガザニアは艶やかな花色が特徴ですが、意外と寄せ植えの花材としては花合わせが難しいものです。去年グリーンセンター味美店で大変珍しい花材(エスペレティア)を見つけました。これを使ったポットフラワーアレンジ(PFA)作品を作りましたのでご紹介します。
1 PFAとは
土の代わりに軽石やインテリアバークなどを使ってポット苗を固定するので、手や服を汚しません。また、苗をポットから抜かないので手早くアレンジできます。寄せ植えと決定的に違うのは、目標とする鑑賞期間が過ぎれば即作品を分解し、根痛みなく安全に植え替えできることです。
2 準備
⦁ 資材
a コンテナ(花材を入れる容器。サイズは直径30㎝、高さ20㎝)
b 軽石(花材を固定する際に使う。サイズは大粒)
c インテリアバーク、(自然を表現するための樹皮でサイズは大)。
d ココヤシファイバー(自然を表現するためのヤシ殻繊維)
e 発泡スチロール製箱(底面給水用。サイズは40×30×20㎝位)
(2)花材と鉢数
今回使用した花材を紹介します。
a エスペレティア「ベルベットスノー」(コロンビア原産キク科の一年草で3号1鉢)
b ガザニア(南アフリカ原産キク科の半耐寒性一年草で3号6鉢)
c ヒポエステス(マダガスカル原産キツネノマゴ科の非耐寒性1年草3号4鉢)
(3) アレンジ開始の1~2時間前には、苗にかん水をしておきます。
(4) 枯れ葉があれば取り除いて下さい。
(5) 花材やコンテナ等、正面(最も見栄えのする面)を決めておいて下さい。
3 構図
今回は、エスペレティア「ベルベットスノー」を主役に、準主役にガザニアを、根〆にはヒポエステスを使って二等辺三角形でまとめてみることにしました。ガザニアが派手ですので、控えめな花を使ってガザニアを引き立てると良いでしょう。実際、紙に構図を描いてみるか、頭の中で構図を描いてみましょう。
4 仮置き
一度試しに構図どおりに花材を配置してみましょう。まず、コンテナの底に軽石をある程度敷きその上に主役のポリ鉢を置き、軽石で高さ調整をします。同様に主役の前に準主役のガザニアを置き、軽石で高さ調整します。さらに、根〆のポリ鉢も軽石で高さ調整をします。また、できる限り花材の茎や葉がコンテナの外に出ないように仮置きしてみます。この時点ではまだ、ポリ鉢を固定しません。
5 アレンジ開始
(1) 仮置きした花材や軽石などをすべて取り出し、最初からやり直してください。これがアレンジ開始です。
(2) 仮置きの手順と同様に軽石を敷き、高さ調整しながら主役、準主役、根〆の順に花材を入れていきます。花材のポリ鉢上縁部が、コンテナの上縁部から飛び出さないよう高さ調整するのがきれいに見せるコツです。
(3) コンテナと花材がちゃんと正面を向いているかチェックします。
(4) 花材の位置が決まりましたら軽石をポリ鉢の間に詰めていき、花材を固定します。
(5) 軽石や、ポリ鉢の上にインテリアバークあるいはココヤシファイバーを乗せてアレンジ完了です(写真、図)。
6 管理
水やりの方法には二通りあります。 (1) 上部かん水
インテリアバークあるいはココヤシファイバーを取り除いて、一鉢一鉢株元へ潅水します。
(2) 底面給水
準備した発泡スチロールの箱にコンテナごと入れて水を張り、コンテナの底から水を吸わせます。簡単に水を与えることができます。
7 解体
目標とする観賞期間が過ぎれば速やかに解体し、花材を育成用の鉢なり花壇に植えて育てると良いでしょう。