地元の伝統と命を繋ぐ鰌寿司作り 志水小学校
[2018.11.22]
▲木枠に詰めた酢飯にドジョウを手際よく並べる児童 |
豊山町立志水小学校で22日、同町の伝統的な郷土料理を学ぶ「ドジョウ寿司を味わう会」が開かれました。会は、豊山町立豊山小学校で9年前から行っています。地域の伝統的な食文化を子ども達に伝えていく総合学習の一環として、昨年から志水小学校と新栄小学校も導入しました。
伝統料理の継承と、町の地域振興を目的に結成された「豊山まちおこしの会」会員7人が、3年生児童57人にドジョウ寿司の作り方を手ほどきをして、児童全員が寿司作りを体験しました。会には、服部正樹豊山町長や北川昌宏教育長も出席し、児童らとドジョウ寿司作りを楽しみました。
この日は、地元ケーブルテレビの収録も行われ、ゲストに招いた豊山町商工会のゆるキャラ「どじょたん」の登場に料理教室内は児童らの歓声で溢れました。
ドジョウ寿司は、ドジョウを砂糖としょうゆで甘辛く煮込んだ後、寿司飯の上に並べ木枠に詰めた押し寿司です。かつては地元の田んぼで捕れた物を各家庭で調理し、祭りや縁日の時に食べられていました。しかし近年は都市化が進み、家庭で作られることもほとんどなくなっています。
冒頭で長瀧隆司校長は「古くから伝わる地元の伝統料理を作り、味わい、皆さんの後輩にもその素晴らしさを伝えていってください」、服部町長は「ご飯を食べる前のあいさつ〝いただきます〟とは命をいただくこと。そのおかげで私たちの命は繋がれ長生きできるので感謝の気持ちも学んでください」とそれぞれあいさつしました。
生きたドジョウを触るのが初めてという児童ばかりで、鍋でドジョウを煮る行程ではおっかなびっくりでの作業となりました。ドジョウ寿司を初めて作り試食した児童は「元気よく泳いでいたドジョウが鍋に入れるとピーンと固まって動かなくなり驚いた。ウナギの赤ちゃんを食べているみたいで、甘辛くおいしかった。その味が私たちの命をまた延ばしてくれた」と笑顔で話しました。
同会の河村弥生会長は「豊山町出身のイチロー選手も子どもの頃は食べていたのではと想像できるほど、ドジョウ寿司はこの町の歴史ある郷土料理。私たちは時代が変わってもこの伝統を次代へ繋げていきたい」と意気込みを話しました。
▲鍋に入れ煮るドジョウの様子に興味津々の児童ら |
▲ドジョウ寿司作りを指導した「豊山まちおこしの会」会員7人の紹介 |
▲豊山町商工会のゆるキャラ「どじょたん」も特別ゲストとして登場 |