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子が元気に育つ願い込めた文化財   土雛まつり

[2018.02.28]

 
 ▲土雛に興味津々の小牧市立岩崎保育園児童ら

 

 小牧市久保一色の久保一色会館で2月23日から3月4日まで「第15回久保一色土雛まつり」が開かれています。同祭は小牧市久保一色土雛保存会が市・市教育委員会・久保一色新田区の後援を受けて行っているもので、明治30年代から昭和20年代まで地元農家が飾っていた土雛等約300体が展示され、当時のひな祭りが再現されています。

 28日は、毎年訪れる市立岩崎保育園児(年長・年中・年少)91人に、今枝宏之副会長が土雛やそれを作るための型の説明を行いました。児童らは「かわいい」と興味津々でした。

 福助や静御前、加藤清正、桃太郎、恵比寿、大黒などの土雛は、尾張北部(小牧・犬山市等)に伝わる貴重な民族文化財で、この地で農業を営んでいた仙田市兵衛・佐太郎親子が、農閑期に地元産の粘土を掘り出し、絵付けし、焼き、自ら販売していたものです。

 同保存会は、「当時地元農家が購入した貴重な土雛を、今収集しておかないと永久に散逸してしまう」といった危機感から地元農家を中心に平成16年1月に設立しました。以後、世代間の交流を図り、農家の風習を語り継ぐ目的で毎年開催しています。地元新聞にも取り上げられ、懐かしの土雛を見に市外から訪れる来場者も多く見られます。

 保存会員は「土雛は現代ではどこでも見られるものではない貴重な文化財。幅広い年齢層の方々にぜひ見にきて当時の文化を楽しんでいただきたい」と意気込みを話しました。

 保育園長は「昔の地元農家の〝子どもが元気に育ちますように〟という願いの込められた土雛を間近で見て、当園の子どもたちも元気で健やかに育ってほしい」、訪れた同市の来場者は「土雛は素朴で、昔の地域の雰囲気を思い出させ、作った人の温かさを感じさせてくれる。見ていて穏やかな気持ちになった」と笑顔で話しました。

 
 ▲小牧市久保一色土雛保存会の今枝宏之副会長が土雛やそれを作るための型を説明
 
 ▲土雛を作るための型も展示
 
 ▲当時の地域の雰囲気を思い出させ、心も穏やかになる土雛
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